見出し画像

対局反省ー2022/3/19

昨日のある一局から。(棋譜だけ見たい方は最後にあります)

画像1

私の白番。局面の形勢自体はこちらやや良しくらいが当時の判断。黒23が広い下辺に投じる筋良しの手で、Aの飛び四を念頭に黒B以下「暫定追い詰め」を睨んでいる。こういうのに白もDなどから真正面についていくと、向こうから無限に攻めが降り注いできて大変なので基本的には反発か手抜きが本線。第一感は白Cの反発だったが、以下黒Dのときに面倒くさそうだなぁと思った。そこで暫定追い詰めを精査することにした。

画像2

「暫定追い詰め」とは正式な用語ではない。相手が長く続く詰み筋を持っていて、正確に詰みだとは断定できないけれどどうやら詰みっぽいとき、とりあえずその手を「以下相手に追い詰めがある」として扱うことを言う。これにより判断が効率化されるというわけである。ただし、時には本当に追い詰めがあるかどうかが局面の形勢を左右する重要な要素になる。そういうときに確かめる作業をする。さて、上図は黒に詰みがあるとすればほぼこの図しかない。いまの図が黒4まで。この黒4は四追いを残している(フクミ手)っぽい気配がある。実際に確かめてみると黒ABCと打てば四三ができる。ところがよく見ると白Dが四なので黒の四追いが成立していない。よって、この暫定追い詰めはおおよそ「追い詰めではない」という結論になった。もちろん、100%追い詰めではないことを検証するなら全ての追い手を見ていく必要がある。対局ではそんな時間は通常ないので主図のみを見ている。

画像3

さて、黒23が詰みを残していないとなると、状況は一変する。これまでは少なくとも、黒23のどこか近くに打って詰み筋を受ける必要があるはずだった。これが黒が詰みを残していないとなると、白24ではこちらが詰みを残す手、要は攻める手が選択肢に入るということになる。雑に言えば、右側に打つ手が選択肢に入る。ひとまず局面をぼーっと眺めて気になったのは黒23は次に黒Aのように右辺を活用した攻め筋も睨んでいるということだった。一か所を攻められるだけであれば受ける側も頑張り甲斐があるが、複数箇所に展開されるとこちらの反撃の未来を臨みにくい。

画像4

というわけで前図黒Aの連携を断ち切る白24を選択。縦の剣先も活用できて単に受けるよりいいと判断した。(この判断自体悪くはなかったが、ソフト的には第一感が最善だった) 黒25と打たれる。次にAが四三のミセ手だが、打たれた瞬間は意味がよくわかっていなかった。特に疑いなく数秒でAと受けてしまったのが悪かった。

画像5

黒27~31。暫定追い詰めを読んだ段階でこの筋に安心感を持ちすぎてしまっていて警戒心がなかった。この図に至ってようやく気付いた。黒31は四追いを残しているのだ。(ABCDEFで四三)あーやっちまったなぁと思ったが時すでに遅く、以下は粛々と詰まれた。

画像6

遡って、白26では四ノビで長連筋にしてから28とがっちり受ければ優勢だった。事前の段階である程度読みを入れていても、一手一手実際に局面が変わるごとに改めて読むべきという教訓になった一局だった...

最後に総譜を載せる。●49にて白投了

https://bit.ly/3wtwKIG

画像7


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?