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なでしこジャパンの東京五輪は終わった。たくましい女子サッカー再生へ!

スウェーデンの選手たちが金髪をなびかせてピッチを縦横無尽に走り回る。蛍光イエローのユニフォームがとても目立つ。
ピッチ上の存在感は平均身長171センチという数字以上のものに見える。

東京五輪の女子サッカー準々決勝でなでしこジャパンはスウェーデンを相手に1-3で破れました。

ベスト4に進んで欲しかった。

なでしこファンとしては残念な結果です。

ネットでサッカー関係者のコメントをいろいろ読みました。
どれもこれも結果を見てあれこれ言うだけ。

澤さんのコメント

でも澤さんは違いました。澤さんは「これが現実」と言っていました。

試合そのものが良くなかったということよりも、オリンピックやワールドカップで勝つことを目標に何をすればいいのかということを言っていました。

客観的に世界と比べて何が足りないか、勝負に対する姿勢について、とか澤さんでしか言えない内容もありました。

高倉監督の解任

試合直後に非公式ながら高倉監督の解任が報じられました。

サッカーの世界では、結果を出せない監督はすぐに解任されるのが通例です。

タイ代表監督だった西野朗さんもタイ代表が東京五輪に出られなかったので解任されましたね。

指導者目線で監督の責任を考えてみる

結果が出せない理由と原因を監督の責任にすることに異議はないのですが、本当にそうなのか?と思うのは「私が指導者だから」なのかも知れません。

なので、あくまでも指導者目線で今回のなでしこジャパンの五輪チャレンジについて考えてみたいと思います。

選手を育てることができたか?

私たち少年サッカーのコーチや監督は、チームの強化=選手の強化です。

代表監督はどうなのでしょうか。

監督はチームを勝利に導くことを請け負っています。

個々の選手を育てることは、所属するチームの責任というのが現実でしょう。

女子サッカー選手のだれもがなでしこジャパンのメンバーを夢みていると思います。

そのために所属チームでの選手育成はどうすればいいのか?

いやいやチームではなく、選手個人の問題だよ。

真相はどうなのだろう。

世代交代のサインは10年前から出ていた

高倉監督がなでしこジャパンの監督になったのは2016年、5年前のこと。

2011 FIFA女子ワールドカップで優勝したなでしこジャパンを率いた佐々木則夫監督から高倉麻子監督へのバトンダッチ。

澤さんは大会後体調を崩し、キャプテンを退きました。

宮間選手がキャプテンを受け継ぎますが、当時のメンバーは少しずついなくなりました。

これが世代交代っていうやつなんだろう、生まれ代わって強くなるためにはしょうがない。

あの当時のなでしこジャパンを再現しようというのは無理だという事に気づいた人は多かったはずです。

監督も違う、選手も違う。別の形のなでしこジャパンを形づくる必要があったのでしょう。

しかし世間は監督が代わってすぐに結果を求めました。
新しく代表になった選手にも結果を求めました。

あれから10年。

東京オリンピックの舞台でメダルを取るという夢は散りました。

そして、これが真実だと澤さんに言わせてしまった日本女子サッカー。

少年サッカーの手本としていたなでしこジャパン

澤さんは今の選手たちに「泥臭く戦え」と言っていました。

10年前のなでしこジャパンはアジアのバルセロナと言われるほどの見事なショートパスを見せていました。

しかし一方で、ボールを奪うということについては泥臭くスライディングを繰り返すチームでした。

身長が低い、フィジカルも劣る日本女子サッカーはこれが世界と戦うスタイル。そういうチームでした。

そんなプレーは実はとても基本に忠実なので、私は少年サッカーの指導教材として活用したものです。

ボールを見る、顔を上げるというメリハリ。

パスしたら動く、奪われたらすぐにディフェンスする。

足を止めない。

ラインを上げる、スペースに走る。

どれもがお手本として少年たちに見せたくなるプレーです。

男子のようにパワーやスピードに頼らないので、同じようにパワーやスピードがない小学生のお手本としてとてもよい教材でした。

フィジカル強化は禁句なのか・・・・

高倉監督はスウェーデン戦後のインタビューでフィジカル不足が敗戦の理由のひとつと言っていました。

フィジカルが弱点なのは10年前も一緒です。

しかし女子サッカーはフィジカルをもっと上げていきましょう。という方針は特になかったように思います。

10年前のチームよりもテクニックは相当レベルアップしていると言われる今回のなでしこジャパン。

それよりも海外のレベルアップのスピードが早かった。そういう高倉監督はベースとなるフィジカルやメンタルの強化に手が回らなかったことを悔やんでいるように見えます。

佐々木監督から高倉監督に代わった時、高倉監督の特徴はとにかく負けず嫌いというものでした。

今回の結果で一番悔しい思いをしているのは高倉麻子監督だと思います。

フィジカルがあれば結果につながる見込みがあるなら5年前、いや10年前から取り組む必要があったのではないかと思います。

これまでにフィジカル強化を訴えることができなかったのは禁句なのかな、と思うほどです。

チームも強いけど選手が強いなでしこジャパン

ひとりのサッカーファンとして、また、少年サッカーのお手本という位置づけでなでしこジャパンを応援しています。

新しいなでしこジャパンが近いうちに始動するでしょう。
チームとしての総合力アップを目指すことは異論がありません。

私は、ひとりひとりが上手くて強いと言われるようになって欲しいです。

監督がどの選手を出しても勝てる、どんな采配でもノープロブレム!
監督いらずの選手たちになって欲しいです。

指導者ですがそう思います。
フィジカルという外見の評価でなく、心身ともにたくましくなること

そこを目指して欲しいですね。
頑張れ、なでしこジャパン!




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