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心理士と学ぶ依存症

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依存症についての記事をまとめています。
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記事一覧

依存症は「孤立の病」

こんにちは、心理士のなべたです。 「依存症」という言葉を聞くと、多くの人が何かの物や行動への依存を想像すると思います。 しかし、その根底にあるのは、深い孤独と孤立の感情です。 この記事では、依存症の人ははどうして孤立してしまうのか、そしてそこからどう回復していくのかを考えてみます。 どうして孤立するのか「依存症になると孤立しやすい」とよく言われます。 これにはいくつかの理由があります。 まず、社会的に依存症がまだまだ知られていないということです。 依存症とは、日

底つき体験は人生に必要か?

こんにちは、心理士のなべたです。 人生のどん底を経験したとき、僕たちは何を見出すことができるのでしょうか? 依存症の世界では、「底つき体験」と呼ばれるこの瞬間が、多くの人々にとって大きな意味を持ちます。 この記事では、底つき体験の必要性とデメリットについて考えていきます。 底つき体験とは「底つき体験」とは、“もうこれ以上は悪くなることはない”と思えるほど、大変な困難に直面し、苦悩することです。 このとき、自分の生き方を大きく変えなければならないと強く感じることが多い

過去の自分への言葉が未来を変える

こんにちは、心理士のなべたです。 ぼくたちは時折、過去の自分に何かアドバイスができたらと思う瞬間があります。 もし時間をさかのぼって、過去のあの時に必要な励ましや、大切な教訓を伝えることができたら… そんな想いを抱くことは誰にでもあるでしょう。 しかし、時間旅行は現実には存在しません。 でも、心の旅をすることで、ぼくたちは過去の自分に思いを馳せ、現在の自分を育てる大切なヒントを見つけることができるのです。 この記事では、「過去の自分にかけたい言葉」を考えることの重要

幸せになるために目標設定をしよう

こんにちは、心理士のなべたです。 目標を設定することがなぜ重要なのでしょうか。 目標がないというのは、航海者がコンパスなしに海を渡るようなものです。 方向性を示す指針がなければ、どのように進めばよいか迷い、目的地に到達するのは困難です。 本記事では、目標設定の必要性とその具体的な方法について解説します。 目標設定の必要性もし今の人生に満足していて幸せだと感じているのなら、わざわざ新しい目標を立てる必要はないかもしれません。 好きなことや今まさに続けられていることに

子どもの頃の自分を振り返ると決断できる

こんにちは、心理士のなべたです。 私たちは大人になると、日々の忙しさやリアルな問題に追われ、ついつい子どもの頃の夢を忘れがちです。 しかし、あの頃の自分が見つめていた未来への想像力や希望は、今の自分を理解し、より豊かな人生を送るための大切なヒントを秘めています。 一緒に時間を戻し、子どもの頃の無邪気な夢を思い出し、その大切さを再確認してみましょう。 自己理解になる子どもの頃の夢を思い出すことは、自己理解の一環となります。 子どもの頃の夢は、自分が何に興味を持ち、何を

謙虚さと感謝が生活を豊かにする

こんにちは、心理士のなべたです。 私たちは日々、さまざまな人々と関わりながら生活しています。 その中で、自分自身を見つめ直すためには「謙虚さ」と「感謝」の二つの要素が欠かせません。 今回は、これら2つがどのように結びつき、私たちの日常にどのように影響を与えるのかを探求します。 謙虚さとは謙虚さとは、自分を適切に評価し、自分のことだけを考えないで行動する姿勢のことだと言えます。 例えば、自分の能力を過大評価すると、自己中心的な行動をとりがちになり、他人に対する理解や共感が

感情と生きる、感じたくない感情が教えてくれること

こんにちは、心理士のなべたです。 ふとした瞬間に「感情がなければどんなに楽だろう」と思ったことはありませんか? でもそのような感じたくない感情も実は生活の役に立っているのかもしれません。今回は、そんな感情の役割と、上手な付き合い方を一緒に探ってみましょう。 人に感情がある理由「感情」について、時々「悪いもの」や「危険なもの」と思われがちですが、それは実は違うのです。 感情が一切ない人間の生活を想像してみてください。 感情がなくなると、確かに気分の上下はなくなります。でも

自分を許す、罪悪感との向き合い方

こんにちは、心理士のなべたです。 正しい行動とは何か、間違った行動とは何か、考えたことはありますか? 「ああ、してはいけないことをやってしまった…」 そう感じたとき、その罪悪感は誰しもが経験したことがあるでしょう。 今回は、そんな心の揺れ動きとどう向き合うか、そのコツを一緒に探ってみましょう。 罪悪感とうまく付き合う私たちが自身の行動が誤りだったと思ったとき、"罪悪感"という感情が生まれます。 その罪悪感に触れたとき「次回からはこの行動を控えよう」と思う、そんな瞬間を経験

生きづらさの正体、スキーマを知る

こんにちは、心理士のなべたです。 「生きるのがなんだか辛い」と感じること、ありませんか? この記事では、そんな生きづらさの背後にある「スキーマ」という心のパターンについてご紹介します。 スキーマとはスキーマは、私たちがこれまでに経験したことからゆっくりと形成される「思考の型」のようなものです。 自分や世界をどのように見て、どんな行動のルールに従っているのか、それらの根底にあるのがスキーマです。 スキーマはあなたが、自分自身や世の中に対して抱えている最も中心的、絶対的で

考え方のクセとうまく付き合う

こんにちは、心理士のなべたです。 「どうして私はこんな考え方をしてしまうのだろう?」と思う瞬間、ありませんか? この記事では、自らの思考パターンに振り回されてしまう方々へ、その考えとの上手な付き合い方を提案します。 同じ状況でも感じ方は違う同じ状況にあっても、感じる感情やそのときにとる行動は人によって異なることがよくあります。これは、その時に頭に浮かぶ考えがそれぞれの反応に影響を及ぼしているからです。 例えば、友だちに連絡をしたが、既読無視されたとします。 このときに、

急な予定変更が苦手な人へ

こんにちは、心理士のなべたです。 この記事では、急な予定変更があると、ソワソワしてしまう、パニックになってしまう人に向けて、その対処法を考えてみます。 スケジュールを立てることは重要スケジュールを立てることは、やらなければならないことをしっかり達成するためにとても役立ちます。 依存症の方で考えれば、ヒマな時間ができると、つい依存していた行動でもやろうかと考えてしまい、また依存してしまう危険性が高まります。 つまり、一日を安全に、有意義に過ごすことができるように、スケジ

依存の罠、日常の小さなきっかけ

こんにちは、心理士のなべたです。 この記事では、ハマっている行動のきっかけ、何があるとその行動をしたくなるのかを考えてみます。 引き金と行動依存している行動から距離を置くには、その行動が頭に浮かぶような、あるいは、その行動をしたくなるような引き金を自覚することが大切です。 例えば、ギャンブルに依存している人が、仕事の後、イライラしているときにお金を持っていて、ギャンブルのことが頭に浮かんだとします。この場合、ギャンブルの引き金は以下のようなものです。 仕事の後 イライ

あなたにとって依存症とは

こんにちは、心理士のなべたです。 この記事では、依存症とはどういうものなのか、そして、依存している行動をどうしたいのか、どうしてその行動をやめたいのかを考えてみます。 そもそも依存症ってなんだろう依存症とは例えるなら「脳がハイジャックされた状態」です。 パイロットは自分でハンドルを握っていますが、何者かが後ろから「あっちに飛べ!」「そっちじゃない!」と声が聞こえてきて、その声の言うとおりにしないとハンドルをその声の主に握られてしまうのです。その何者かは想像以上に強くて、抵

人を頼れない病

こんにちは、心理士のなべたです。 この記事では、何かに依存することのメリットとデメリット、何かに頼りたくなる理由を考えてみます。 依存することのメリット依存症を抱える人と治療を進めていくときによくメリットを話し合います。 例えば、ギャンブル依存の人と話すと、以下のようなことがよく挙がります。 お金が増える 儲かったときに自己肯定感が上がる 暇をつぶせる スリルを得られる ストレス発散、現実逃避になる メリットは、その行動をしているとき何を得ていたか、どのように感じてい