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ポートレートに苦戦した話

普段は風景写真や天体写真を(趣味上の)生業とする私ですが、たまにポートレート撮影的なことを任されることがあります。なかなか撮る機会のないポートレートですが、今回は初めての室内での撮影ということもあり、普段とは全く違う頭の使い方をしたので、せっかくなのでここに書き記しておくことにしました。

苦戦したことが3つ

基本的に屋外で撮影することが多い私にとって、室内ポートレートではいわば主戦場が異なります。特にここが難しかったな〜と思ったところを3つ挙げてみました。

1.ライティングで苦戦

まず一つ目に、ライティングの知識が無さすぎた点です。ちゃんと予習していけよ、という話でもあるのですが(デジタルカメラマガジンのポートレート特集は読み漁りましたよ)。この日は外付けストロボも持っていなければ、部屋の照明の扱いも手探りな状況。適切な明るさといい、被写体への照らし方といい、ぼんやり自分が思い描いていた写真の雰囲気のマッチがとっても難しかったのです。

苦労の1枚

そこでどうしたのかというと、「部屋の照明は消して、窓から差し込む自然光に委ねる」作戦に移りました。いわば、今まで撮影してきた環境となんら変わらない、自分の得意なフィールドに無理やり持ち込みます。強行突破ですね。この日は生憎の雨模様でしたが、外からの光はほどほどに柔らかい光でしたのでそれを活用することに。後述しますが、この作戦が今回功を奏します。

自然光での1枚

2.ポージングで苦戦

続いてはポージングの問題。今回はモデルさんではなく、学生時代からの長い付き合いの友人だったので、アレコレ言いながら気兼ねなく進めることはできましたが、いかんせん「自分の知っているポージングの知識・語彙力が無さすぎ」ました。すぐにネタ切れ。屋外だったら場所を移動することで背景や小物が変わるので、ある程度誤魔化しが効きますが、室内では背景の変化にも限界があります。

ここは友人のカバーでなんとか

どういうシチュエーションで、どういう感情で、どんな表情で、、、
これを相手に伝えるためには、まず自分の中で言語化できている必要があることを痛感しました。反省して本を読みます。映画も観ます。

3.カメラ的な制約

1でもお伝えしたとおり、「外付けストロボ」もなければ、なんと単焦点レンズ1本で勝負を仕掛けています(Lマウントレンズ、買わなきゃですね)。いろんな表情を撮るという意味では、ズームレンズの方が都合が良かったりするのかなとも思います。(ただし、F1.2の大口径単焦点のおかげで明るさを稼げたという点はありがたいです)

暗い環境でも余裕

カメラはいつものSIGMA fp L。メカシャッターレス機ですので、照明によってはフリッカーが盛大に発生します。(この日は関東での撮影でしたので、普段関西にいる私にとっては50Hzという周波数の違いを体感できました)なので、早々と照明を諦め自然光にシフトしたのは良い判断だったのかもしれません。撮影したのに後から見返したら全部縞模様だった、なんてことにならないよう、ここは十分注意が必要です。

終わりに

ということで、人生ではじめての室内ポートレートを体験してきました。そこに在るものや偶然性にある程度委ねて撮ることができる風景写真とは違って、アウトプットしたい感情、表情、その時の空気をきちんと言語化し、相手と共有する必要があるポートレートでは、頭の使い方が全く変わることも体感しました。きっとこの経験を風景写真やスナップ写真にも活かすことができると思うので、とってもいい経験になりました。練習させていただける方、ご連絡お待ちしております。

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SIGMA fp L
SIGMA 35mm F1.2 DG DN Art

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