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銭湯と男とあなたとわたし
昨日は一段と冷え込んだ。山頂にはうっすらと雪が積もり、手足の指は霜焼けができてる。もう冬が来るんだなと、思った。
秋から冬に移行する間の、独特のしんみりした感じ。うっかり暗い気持ちにのまれそうになって、いかんいかん、身体を温めようと温泉に向かった。
長野の温泉はどこも広い。時々こぢんまりした湯元もあるけど、広くて開放的な場所が多く、それが長野の温泉のいいところやと思う。
その日もたくさん入浴者がいたけど、施設が広いのでのんびり入れた。脚、腰、胸と、順番に湯船に浸かってく。指先にまで血流がまわって、ジンジン痛い。でも、気持ちいい。
身体が緩んだら、直感が降りてきた気がした。最近は、周囲の人との関係性について振り返ってる。私が築いてきた関係性は一体どんなもので、また、これからどうしていきたいものなんだろう…という漠然とした思考。
関係性の中でも、特に惹かれる人たちのことを考えるとき、私はある歌のワンフレーズを思い出す。
You are me, and I am you
“あなたはわたし、わたしはあなた”
私はこの言葉に共感しながらも、「このような想いは他人を自己同一化してるだけでは?」と思ってた。つまり、共依存みたいになってるんじゃないかと心配になる。でもこの時は、むしろ逆のことが起こってるんじゃないかと思った。
“You are me, and I am you”
そこに至るには、一度「わたしたちは全然違う生きものだ」と知る過程が要るんじゃないか。全然違う生き物のはずなのに、視点が時々重なるから、相手のことを「違う人生を歩んできたもうひとりのわたし」として受容できるんじゃないか。
そんな考えと湯船にどっぷり浸かるうちに、日が沈んだ。のぼせないうちに湯船を出る。
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私は男の人が嫌いだ。どうしてそんなことを言ったり、したりするのかわからないと思うことがあまりに多いから。同性よりずっと理解できないし、許容できなくて嫌いになる。
でもそんな男性を、わからないからこそ、もうひとりの自分のように思えることがある。自分のことのように、大切に思える人がいる。
男性を嫌うことは、生活に支障を生むし、ふつうに差別だと思うので、できればやめたい。だけど今の自分には、必要な過程なのかもしれない。だいぶ悩んできた課題やったけど、少しだけ楽観的になれた。また温泉には行こう。
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生きる糧にします