スシローのすごさ

スシローが好きだ。

大前提としてぼくは食材の仕事をしている。それこそ日本全国の産地を飛び回ってある時は畑の土を食べたりしながら、生産者さんのこだわりを具体的な形で伝えてゆくのが仕事だ。絶対的な味覚を持っているとか言う気はないが、一般の方よりは食材に触れる機会が多い。

回転寿司は、所詮回転寿司だろ、良いイメージを持っていなかった。ぼくは寿司は大好物なのでそれこそ東京の名店は一通り行った。開店寿司なんてねぇ、、、寿司って呼ぶのもおこがましいと思っていた。そんなぼくが感動したお店。それがスシロー江坂店だ。びっくりした。

旨いものを食べるときの反応だけれどぼくは眉間にめちゃシワがよる。そして「っん〜」とか「っっはぁ〜」とか言葉にならない嘆息が漏れる。スシロー江坂店で当時キャンペーン中だった本マグロと有明海苔の手巻き(正式名称は忘れたが)」を食べた時がまさにそうだった。

マグロなら本マグロ、南マグロ、メバチマグロ、キハダマグロ、切り身になっていてもそれぞれのどの部位か、腹なのか背なのか、何番の部位なのか、見れば大体わかる。食べてみたらもっとわかる。そして海苔。有明のこれは最高級レベルの海苔だ。例えるなら銀座の一流店が使ってるのとほぼ同程度の海苔。良くこんな材料を使って一皿300円で出せるな?どうやってんだ?と言うのが最初の驚き。

そして、寿司として食べたときの味のバランスが非常に良い。これはおそらくマニュアルをとても忠実に守っている。これは知らない方が多いだろうが、大型チェーン店のキモはマニュアルだ。非常に莫大な手間隙をかけてマニュアルは作られている。どこで誰が作っても同じ味になる様に作られている。だけどそれを完全に守っているお店は非常に少ない。忙しいとかなんだかんだ”端折る”。ならばとより詳細の部分を決めるが、細かくすればするほど仕事は増える。より単純に、工数を減らして、誰にでもできる様に、、、その繰り返し。それを世界一上手にやっているのがマクドナルドだ。だからマクドナルドは強いのだ。

マニュアル通りにやれば、多くのチェーン店の料理はとても美味しく作れる。スシロー江坂店はそのマニュアル通りをほぼ完璧にこなせているお店だと思う。江坂店はすぐ隣にスシローの本社があるので、手を抜けないのだろう、きっと。

それから回転寿司、いや高級店の必要性がない場合のスシロー選択率は飛躍的に上がった。今年の会員ランクは倍とろまで上がった(上から二番目)。だって安くて旨いんだもの。あまり使いたくない言葉だがコスパがとても良い。100円のお皿も十分満足できるし、原価の高いもの、それほどでもないものを巧みに入れ込んで、どんな年齢、好みのお客様にも対応している。もちろん企業なので適正な利益を確保しながら。

あ、ちなみにもっとも好きなのはナスの握りです。


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