ぼくがかんがえたさいきょうの職務経歴書(人事版)
人事のなべはると申します。キャスターさんから採用界隈 Advent Calendar のお誘いを受けて書くことになりました!
そんな 採用界隈 Advent Calendar 初日の今日は、中途採用の場で必ず必要になる「職務経歴書」についてです。
人事のみなさん、自分の職務経歴書をいい感じに書けてますか?
以前、わたしの会社では一緒に働いてくれる人事を募集したことがありました。大変ありがたいことに多くの応募をいただき、職務経歴書を送っていただいて書類選考を行ないました。
お送りいただいた職務経歴書を読んで自社にマッチする可能性があるかどうかを判断し、面接にお呼びするかを決めているのですが、「読んでも自社にマッチするか判断できない職務経歴書」と高確率で出会います。自社にマッチしないのではなく、「判断できない」のです。
例えば、よくあるのが下記のように業務経験が羅列されただけのもの。
こういった、業務経験羅列だけの職務経歴書はほんとうに多いのですが、この記載だけでは、自社にマッチする方なのか判断できません。
ふだんは職務経歴書を読む側である人事の方にとっても、読み手が判断しやすい"いい感じ"の職務経歴書を書くのは難しいんだなぁと感じたので、この記事では人事を例にした分かりやすく伝わりやすい職務経歴書についてまとめます。
本記事を読み終わるころには、上に例として出した記載の何がまずいのか、どうすれば良くなるかが分かります。人事を例にしていますが、他職種にも応用できますので職務経歴書の書き方が気になる方はぜひお読みください!
まずは目的を再確認。職務経歴書は何のため?
まずは、職務経歴書の目的を確認しておきましょう。職務経歴書の目的は、「読み手が自社にマッチするかどうかを正しく判断してもらう」ことです。
すると必然的に、職務経歴書には「読み手が判断できる材料」を書くべきですね。この視点で、先に挙げた例の一部をもう1度みてみましょう。
読み手が判断する材料が、「3年間会社説明会運営と面接を担当していた」ことだけです。
「会社説明会と面接の経験があれば他は何も望まない!」という会社であればこの情報だけで問題ないでしょうが、多くの場合はそうではありません。
ひとくちに新卒採用経験者を求めると言っても、「会社説明会の司会をうまくこなしてくれる人に来てほしい」場合もあるでしょうし、「求める人物像や選考フローの設計ができる人に来て欲しい」こともあるでしょう。
少し厳しい言い方をすると、経験業務を羅列するだけの職務経歴書は、そういった読み手のニーズを想像せず、乏しい情報での判断を相手に丸投げする行為です。
特に、人事は多くの人と関わる仕事です。自身のアウトプットで相手がどう感じるか、どんなアクションをしてほしいかを想像することは必須といえるでしょう。職務経歴書1つとっても、そういった相手目線を忘れずにいたいと、わたし自身は思います。
経験業務の羅列を脱却しよう!まずは業務の立ち位置を明確にする
ではここから、読み手が判断しやすい、いい感じな職務経歴書の書き方をご紹介します。
まずは、経験業務の単なる羅列を脱却するところから始めましょう。そのための第一歩として、業務をどの立場で経験したかを記載するといいでしょう。
ひとくちに「新卒採用経験がある」といっても、「複数の担当者で分業している中の一担当者」なのか、「採用チームのリーダー」なのかで業務内容は大きく異なるはずです。
経験した業務が、どんなチーム体制で自身がどんな立ち位置で関わったかを明記することで読み手が判断しやすい職務経歴書に近づくことでしょう。
ちょっとだけ、読み手の判断材料が増えましたね。この調子でどんどんカイゼンしていきます!
活躍イメージを持ってもらう!貢献したことを具体的に書こう
ここまでの記載で、どんな業務をどんな立ち位置で行なってきたかの記載ができました。次は、入社後に活躍するイメージを持ってもらうために自社での貢献を具体的に書きましょう。
ここでよくある悪い例が、実績を数値で羅列するだけのもの。
「応募数が2倍」とか「内定承諾率15ポイント改善」とかですね。実績数値を書かないよりはマシですが、数値だけ見せられても読み手の判断材料にはなりにくいです。先ほどと同じ表現を使うと、「読み手に判断材料を与えずに判断を丸投げ」している状態です。
その数値改善のために、「どんな課題意識を持って」「どんな行動をしたのか」が分かって初めて自社にマッチする・しないの判断ができます。
ですので、これはと思える貢献ポイントは必ず具体的なエピソードを添えましょう。そうすることで、「どのレベル感で仕事をとらえているか」を読み手が判断しやすくなります。
ひとつの例として、10年近く前にわたしが書いた職務経歴書の一部が下記です。恥ずかしいですが、晒しちゃいます。
書類選考担当者が上記エピソードを読んで、「よし、こういう貢献ができる人ならウチにきてほしい」と思ってくれるかもしれませんし、「その程度の施策しかできない人ならウチには合わない」と思われるかもしれません。いずれだとしても、単に経験業務を羅列してある職務経歴書よりも格段に読み手が判断しやすくなりました。
(完成まであと少し!)
書面だからこそ人間性を表現!仕事のこだわりや今後の展望を書こう
職務経歴書の読み手は、あなたの普段の仕事ぶりや立ち振る舞いを知りません。面接前にあなたのことを知る手がかりは提出した職務経歴書だけです。だからこそ、職務経歴書には人間性も表現するべきだとわたしは思います。
人間性の表現はどんなものでもかまいません。「得意な仕事・苦手な仕事」「仕事のポリシーやスタンス」「今後の展望」などなど。
これらを記載することで、あなたの人間性が伝わり、読み手に判断の材料を提供することができます。
業務経験の羅列だったときは「新卒採用経験が3年ある人」という無機質なラベルだったものが、「こんな考えで仕事をしているこんな人」という、ひとりの人間としてみれるようになるのです。一緒に働く人と人ですから、人間性が分かったほうが安心ですよね。
完成!読み手が判断しやすいさいきょうの職務経歴書
以上、読み手が判断できる職務経歴書を書くためのポイントをまとめました。
上記のような無機質で判断に困る職務経歴書が、「立ち位置を明確にする」「貢献したことを具体的に書く」「人間性を表現する」を実践することで、下記のとおり生まれ変わりました。
業務経験の羅列に比較して、圧倒的に判断のしやすい、なおかつ書き手の人間性も伝わる血の通った職務経歴書になりました!!
書類が充実することで、面接もスムーズに
最後に。この記事では、書類選考時に読み手が判断しやすいかどうか、に焦点に当てましたが、職務経歴書が使われるのは書類選考のときだけではありません。
面接に進んだ際、面接官は必ず事前に職務経歴書に目を通しています。その際、上記のように判断材料が豊富な職務経歴書であれば、面接官はより深くあなたを知ることができます。記載された内容を把握したうえで、面接当日はさらに深い質問もしてくれることでしょう。深く質問される分、あなたのことをアピールするチャンスも増えるはずです。
逆に、浅い内容の職務経歴書だった場合、限られた面接の時間が基本的な確認事項で終わってしまい、より深くアピールするチャンスを失ってしまうかもしれません。
このように、書類選考だけでなくその後の面接を有意義な場にするためにも、読み手が判断しやすい職務経歴書を書く必要があります。これを読んだあなたも、ぜひ自分なりの"さいきょうの職務経歴書"を目指してください。最後までお読みいただきありがとうございました!明日以降の採用 Advent Calendar もお楽しみに!
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