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世界遺産のグヌン・ムル国立公園 03/05
秘境のリゾート、巨大洞窟とコウモリ達、そして、アントゥー(精霊)
翌日、村人の中で、崖が登る事が得意な青年が、その場所まで、フリークライミングで登っていきました。数時間の苦労の末、辿り着いた後、立体的な赤いシャツは、どうも人では無い様で、持って降りるのは不可能な為、そのまま、下に落としました。
下で見守っていた人は、一同に、落ちたシャツの周りに集まりましたが、その赤いシャツが立体的に見えたのは、シャツの中に枝が沢山詰めてあったからでした。
でも、なぜ?? 皆不思議に思いました。
行方不明になった彼が、いたずらで、山に登って、これを落としたとしても、そんなに上手くは引っかからないでしょうし、逆に、下から登っていくには、相当な技術が必要です。その彼は、崖を登る事は出来ない人でしたから、謎は、深まるばかりでした。
ある人は、彼が、何かの理由から、逃げたのでは、と言う人がいましたが、そのムルから移動する方法は、①飛行機を利用、②川で移動、③川で移動後、伐採会社用の4駆で移動、④延々歩く、と言う4つの方法しかない。
①は空港で記録が残る筈。
②は、彼はよそ者ですから、ボートは現地の人の手助けが必要。
③は「②」と同じ状況。
④は、下流方向へは、絶対に不可能。唯一、歩いて移動する可能性として、山側へ移動するとしても、山頂までジャングルを24km、高さ2000m以上の山を越えていかなければならないし、超えても、さらに、30km以上歩かなければ集落に辿り着けない。
もう一つのルートは、ブルネイやリンバン(サラワク)へ移動する事も可能ですが、そちらには、公園スタッフのチェックポイントを通らないといけない仕組みですし、非常に困難な上、距離がありすぎる。
この地域は、いわば、陸の孤島なのです。人々の謎は、深まるばかりでした。
2週間をたって、探すべき所は、殆ど探しても見つからないという事で、捜索が一端打ち切られました。それでも、この国立公園の一部地域のみに許可されている、先住民族の狩りの地域で、狩猟をするプナン族等の人々に、見つけたら知らせる様にと依頼だけして、捜索の方は、行われませんでした。
行方不明者が、村人では無いと言う事もあって、関係者以外は、次第に、この事件を忘れ出した一ヵ月後のクリスマスの日に、進展が見られたのでした。
(04/05)に続く。。。
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