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1日2題の英文和訳 解説編 Apr.11.2024

今回は短い英文とそこそこ長い英文の組み合わせでしたが、ポイントはどこにあったのでしょうか。それでは解説していきましょう。

【第1問】
「私が自分の研究チームにいてほしい種類の人間は、他の誰もがここにいて幸せに感じるのを手助けしてくれるようにな人間だ。」

【解説】
まずは構造を確認しましょう。文の主語はThe kind of peopleに関係代名詞節がついていますが、目的格whomは省略されていますね。動詞はareで補語が以前も登場した"those who 〜"「〜する人々」です。

さて、ここでは他動詞helpの用法を確認しておきましょう。下記のように用法がある程度決まっています。

<helpの基本的な用法>
 ①help + O 「Oを手伝う、助ける、促進する、役立つ」
   (ex1) Please help me!
    (私を助けて!)
   (ex2) This book will help your research.
    (この本はあなたの研究に役立つでしょう。)
 ②help + 人 + with + 物 「人の物を手伝う、助ける」
   (ex3) He helped me with my homework.
    (彼は僕の宿題を手伝ってくれた。)
 ③help + 人 + (to) do 〜 「人が〜するのを手伝う、助ける」
   (ex4) He helped me paint the wall.
    (彼は僕が壁を塗るのを手伝ってくれた。)
 ④help + (to) do 〜 「〜するのを手伝う、〜するのに役立つ」
   (ex5) They helped clean the classroom.
    (彼らは教室を掃除するのを手伝った。)

①は他動詞としての基本的な使い方です。
②が最も重要で、くれぐれも"He helped my homework."のように書かないよう注意してください。helpは「助ける、手伝う」という意味ではその対象となる人を目的語に取るからです。人を助けているのであって、宿題を助けているわけではありませんよね!
③のtoは省略可能で、toの有無による意味の差はほとんどありません。『原形不定詞を取ることもできる』という知識が重要です。
④は③の目的語が省略されたと形と考えるとよいでしょう。

今回の英文は上記③のパターンで、原形不定詞を取っていますね。helpの語法は英文和訳だけでなく、文法問題や英作文でも注意しましょう。

--- Words and Idioms ---
on(前)「〜の一員で、〜で働いていて」
 $${\uparrow}$$ 「所属のon」と呼ばれる意味です。覚えておきましょう!
else(副)「そのほかの、代わりに」
 $${\uparrow}$$ 疑問詞や-thing、-one、-bodyなどで終わる語につけます。
be happy to do 〜 「喜んで〜する、〜してうれしい」


【第2問】
「料理は常に私の人生の一部であり続けてきたが、綿密な調査の対象というよりはむしろ家具のようなものであり、まして情熱を注ぐ対象などではない。料理をするのが大好きで、私たちにほとんど毎晩私たちに美味しい食事を作ってくれた親、つまり私の母親がいて、自分自身が幸運だと思っていた。」

【解説】
和訳は少し長いですが2文に分かれているので、そんなに苦労しなかったのではないでしょうか。勝負どころは1文目です。

まず、but以下が"more B than A"という形になっています。これは同意表現が多いので、下記にまとめておきます。全部で6つありますが、AとBが入れ替わるので気をつけてください。

<AというよりもむしろB>
  ① not so much A as B = not A so much as B
  ② B rather than A = rather B than A
  ③ more B than A = less A than B

今回はこの表現のAやBに前置詞句が入っています。2つ目のlikeは繰り返しになるので省略されていますね。

〜, but more like the furniture than (like) an object of scrutiny

そしてカンマが打たれたあとに"much less 〜"があります。同じ意味の表現が3つありますので、次の例文を見てください。

(ex1) He can't drink beer, much less whiskey.
  (彼はビールが飲めないのだから、ウィスキーなどなおさら飲めない。)
(ex2) He can't read French, still less write it.
  (彼はフランス語を読めないのだから、書くなんてなおさらできない。)
(ex3) He can't afford to rent a car, let alone buy one.
  (彼は車を借りるお金がないのだから、買うなどなおさらできない。)

このように、通例は否定文や否定的内容の文のあとで用いる表現だと覚えておいてください。

2文目はparentを先行詞とする関係代名詞節があって、my motherは具体説明となる挿入語句です。うまく訳に入れてあげましょう。このような挿入語句の扱いが意外と受験生を悩ませたりしますが、先生方の訳や問題集の模範解答等を参考にして、「日本語化する方法」を身につけてほしいと思います。

--- Words and Idioms ---
object(名)「物体」「対象」「目的」
scrutiny(名)「綿密な調査、検査」「監視」
count + O + C 「OをCと見なす、思う」
 $${\uparrow}$$ Cの前に前置詞のasが置かれる場合も多いです。


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