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週末英文法 【前置詞+関係代名詞の考え方】 Jun.9.2024

今回のテーマは生徒からの質問があったので選びました。問題文は少しだけ変えてあります。

【問題】They have debated the extent (          ) he restructured the city's economy.
  ① which  ② of which  ③ in which  ④ to which
【質問】正解は④だったのですが、なぜ②や③がダメな理由はなんですか?

とても良い質問だと思います。そもそも、ただ正解を求めるのではなく、不正解の根拠を問う姿勢が素晴らしい!

さて、関係詞の問題について考えるときに大切な視点のひとつは、「関係詞を用いた文は2つの文に分解することができる」ということです。そのとき、先行詞は何らかの形で2文目に入れることができなければなりません。

具体的に見てみましょう。太字が先行詞です。

(ex1) This is the book (          ) I talked with you the other day.

2文に分けるとき、2文目にthe bookを入れなければなりません。
① This is the book.
② I talked with you the other day. + the book

talkは自動詞ですので目的語をとれませんが、"talk of/about 〜"の形にすればtalkの後ろに置くことができます。これで2文に分けることができました。
① This is the book.
② I talked of the book with you the other day.(ofはaboutでも可)

そして上記②の太字部分を関係詞にすれば1文につなげることができます。よって、下記の文が完成します。
(ex1) This is the book of which I talked with you the other day.
  (これは私が先日あなたと話した本だ。)

この問題では、自動詞talkの用法に着目して前置詞を決定することができました。
それでは次の問題を見てください。

(ex2) We have to find the means (          ) we can resolve the problem.

やはり2文に分けたいのですが、2文目にはthe meansを入れなければなりません。
① We have to find the means.
② We can resolve the problem. + the means

②の文の動詞resolveは他動詞で目的語も存在しますから、すでに文として成立しています。よってmeansは前置詞句にする以外に方法はありません。meansは「手段」という名詞なので、手段を表す前置詞byを用いると②の文に入れることができます。
① We have to find the means.
② We can resolve the problem by the means.

これで完成。2文を1文につなげることができます。
(ex2) We have to find the means by which we can resolve the problem.
  (私たちはその問題を解決することができる手段を見つけなければならない。)

今回は動詞resolveに着目するのではなく、先行詞meansにつけるならどんな前置詞が適当かを考えて前置詞を決めることができました。

このように、『前置詞+関係代名詞』の前置詞を決定するときには2つの視点があると分かります。

<前置詞+関係代名詞の前置詞の決定>
① 関係詞節内の動詞が自動詞のとき、その自動詞にどんな前置詞をつければ先行詞を動詞+前置詞の目的語にできるか。
② 関係詞節内の動詞が他動詞ですでに目的語があるとき、先行詞となる名詞を前置詞句とするならばどんな前置詞が適当か。

ではいくつか問題で確認してみましょう。すべて入試問題の改題です。

(ex3) I don't like the way (          ) he speaks.
   ① how  ② to which  ③ by which  ④ in which
(ex4) These are the tools (          ) ancient people built their houses.
   ① which  ② in which  ③ with which  ④ about which
(ex5) This is the house (          ) the family lived in those days.
   ① which  ② on which  ③ in which  ④ of which

(ex3)はthe way howという言い方はできないので、前置詞+関係代名詞になります。そのとき、先行詞the wayに前置詞をつけるならどんな前置詞が良いかを考えます(上記②の視点)。方法を表すinが適切ですね。
(ex4)は先行詞the toolsに前置詞をつけるならどんな前置詞が良いかを考えます(上記②の視点)。道具のwithが適切です。
(ex5)はliveは自動詞なので先行詞the houseを目的語にとることができないため、どんな前置詞があれば「家に住む」という意味にできるかを考えます(上記①の視点)。"live in 〜"で「〜に住む」という意味にできますね。

(ex3) I don't like the way in which he speaks.
  (私は彼の話し方が好きではない。)
(ex4) These are the tools with which ancient people built their houses.
  (これらが古代の人々が家を建てるのに使った道具です。)
(ex5) This is the house in which the family lived in those days.
  (これがその家族が当時住んでいた家です。)

いかがでしょうか。『前置詞+関係代名詞』の前置詞を決定する時は2つの視点を持って考えるようにすると分かりやすくなります。

ということで最初の生徒の質問に戻りましょう。

【問題】They have debated the extent (          ) he restructured the city's economy.
  ① which  ② of which  ③ in which  ④ to which
【質問】正解は④だったのですが、なぜ②や③がダメな理由はなんですか?

これは②の視点で考える問題です。先行詞the extentに前置詞をつけるなら何が良いかを考えます。この名詞は"to an extent"で「ある程度」という意味の前置詞句を構成しますので、他の前置詞ではダメなんですね。extentとtoの相性は抜群なのです。正解の英文は次のようになります。

They have debated the extent to which he restructured the city's economy.
 (彼らは、彼がどの程度町の経済を再構築したかを議論してきた。)

それでは本日はここまでです。

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