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1日2題の英文和訳 解説編 Mar.21.2024

それでは解説を始めます。今回はどんな感じでしたか?

【第1問】
「もし彼が普通のコーヒーに完全に変えることを我慢できるのなら、彼の貯蓄額はやがてずっと大きくなるであろう。」

【解説】
この英文のポイントは2つあります。まず1つは仮定法の文であることです。if節の中が過去形になっていて、主節(帰結節)には助動詞の過去形が使われていますね。これはif節で現在の事実に反する仮定を述べ、主節(帰結節)で現在に対する想いを述べています(仮定法過去といいます)。日本語からも仮定法の文だと分かるようにはっきりと訳しましょう。

もうひとつのポイントは、比較級greaterに強調語句farがついていることです。比較級を強調できる代表的な語句には以下のようなものがあります。

「ずっと、はるかに」 much / far / by far / a lot など
「なお一層」 even / still / yet など

このような語句が比較級についているときは、必ず訳に入れるようにしましょう。「筆者があえてつけた強意語は必ず訳す」というのは大学入試英語の鉄則です!

--- Words and Idioms ---
stand(他動)「〜を我慢する、〜に耐える」
stand to do 〜 「〜することを我慢する」
 $${\uparrow}$$ 不定詞は動名詞でもOKです。
altogether(副)「完全に、全く、すっかり」
saving(名)「節約、倹約」「貯金、貯蓄額」「救助、救援」
over time 「時が経つにつれて、やがて」「ゆっくり時間をかけて」

【第2問】
「そのイルカの中の5頭は、21年間一緒に生きてきていて、集団に固有の鳴き方を共有していたが、そのそれぞれが個体を特定するのに十分独特な特徴を保持していた。」

【解説】
この英文のポイントは「非制限用法の関係代名詞節」です。以下の2つの文を見てください。

(ex1) The person whom I met yesterday is a famous doctor.
(ex2) I met Mr. Jones yesterday, who is a famous doctor.

2文とも主格の関係代名詞whoを用いた関係代名詞節が入っています。
(ex1)は制限用法(限定用法)と呼ばれ、関係代名詞節が先行詞the personを後ろから修飾します(これを限定修飾といいます)。よって訳は「僕が昨日出会った人物は有名な医者だ。」となります。

一方、(ex2)の関係代名詞節の直前にはカンマが置かれています。これが非制限用法(継続用法)で、先行詞Mr. Jonesに補足的な説明を加えます。よって訳は「私は昨日ジョーンズ氏に会ったが、彼は有名な医者だ。」となります。「有名な医者のジョーンズ氏」と訳さないよう気をつけましょう。

問題文では、先行詞Fiveに非制限用法の関係代名詞節が置かれて、5頭のイルカの補足説明をしています。「21年間一緒に生きてきたイルカ」のように訳すと誤訳になるので気をつけてくださいね。

もう1点。enoughの用法を確認しておきましょう。enoughは名詞を修飾するときは名詞の前に、形容詞や副詞を修飾するときはその後ろに置くという特徴があります。次の文で確認してください。

(ex3-1) I have enough money.
  (僕は十分なお金を持っている。)
(ex4-1) This room is large enough.
  (この部屋は十分に広い。)

このように文中にenoughを用いたとき、「どの程度十分なのか」を表す副詞的用法の不定詞を伴うことが多いです。

(ex3-2) I have enough money to buy this house.
  (僕はこの家を買うのに十分なお金を持っている)
(ex4-2) This room is large enough to seat 1,000 people.
  (この部屋は1000人が座れるほど十分に広い。)

今回の英文も名詞characteristicsにenoughがついていて、文末に程度の不定詞句を伴っていますね!

--- Words and Idioms ---
whistle(名)「笛、笛の音」
distinctive(形)「独特の、特有の、明確に区別できる」
characteristic(名)「特徴、特質、特色」
 $${\uparrow}$$ characterよりも個別具体的な特徴を表します。
identify(他動)「〜を特定する、確認する、突き止める」
 $${\uparrow}$$ identify A with B 「AをBと同一視する」も覚えておきましょう。

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