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1日2題の英文和訳 解説編 Apr.10.2024

今日の英文は語彙レベルがそれほど高くなく、訳すだけならそんなに苦労しなかったのではないでしょうか?それでは解説を始めましょう。

【第1問】
「お金で幸せを買うことはできないと言われるが、同時に、お金が世界を動かしてもいる。お金についてどのように感じているかに関係なく、私たちの日常生活にとってお金が不可欠なものではないと主張するのは難しいであろう。」

【解説】
1文目は以前学習した『主語繰り上げ構文』で取り上げた「〜だと言われている」という形の文。that節内はbutで2文が結ばれていますが、後半の文の動詞makeは使役動詞です。使役動詞は原形不定詞を伴いますね。

<使役動詞>
 ① make + O + do 〜 「(強制して)Oに〜させる」
 ② let + O + do 〜 「(許可して)Oに〜させる、させてやる」
 ③ have + O + do 〜 「(依頼して)Oに〜させる、してもらう」

2文目の"regardless of 〜""は群前置詞で、howが構成する間接疑問が目的語です。主節の主語itは形式主語、真主語は不定詞句でto argueから文末までです。助動詞のwouldが用いられていますが、仮定法ではなくてここは単なる推量の意味ですね。

特に難しい部分はないように思いますが、英文の構造に注意して一語一句丁寧に訳してほしいと思います。

--- Words and Idioms ---
buy(他動)「(お金を主語として)〜が買える」
go round 「ぐるぐる回る」「歩き回る」「行き渡る、流行する」
 $${\uparrow}$$ roundはaroundやaboutでも良いです。
regardless of 〜 (前)「〜に関わらず、〜に関係なく、〜を問わず」
argue(他動)「〜だと主張する」「〜を議論する」
essential(形)「不可欠な、絶対必要な、必須の」

【第2問】
「協力してきた集団は、最も厳しい環境条件を生き延びることができただけでなく、他の人間以外の種にはできなかったやり方で繁栄し、地球全体に広がった。」

【解説】
この英文も構造を丁寧に考えていけばそんなに難解ではなかったのではないかと思います。

主語groupsを"that have cooperated"という短い関係代名詞節が修飾しています。そして動詞部分は"not only A but also B"という有名な形になっています。

Bの方には文末に前置詞句がありますが、waysをthatが導く関係副詞節が修飾しています。関係副詞節の中は同語反復を避けるために省略が生じています(正確にはhasが代助動詞)。復元すると以下の通りです。

〜 that no other non-human species has been able to thrive and spread

さて、この関係副詞節については確認をしておきましょう。本来、「方法」という意味のwayを先行詞とする関係副詞はhowですが、下のような文は文法的に不適とされます。

(ex1) I don't like the way how he speaks. $${\leftarrow}$$ 誤り
  (僕は彼の話し方が好きではない。)

なぜ不適かというと、『the wayかhowのいずれかを必ず省略しなければならない』という不思議なルールがあるからです。よって、同じ意味で文法的に正しい文は以下の2通りとなります。

(ex2) I don't like the way he speaks.
(ex3) I don't like how he speaks.

しかし、関係副詞howを別な語に置き換えると省略のルールは適用されませんので、以下のようにも書けます。

(ex4) I don't like the way in which he speaks. 【前置詞 + 関係代名詞】
(ex5) I don't like the way that he speaks. 【関係副詞のthat】

今回の英文は(ex5)のパターンです。関係副詞howの用法として、4種類の英文が書けることを覚えておきましょうね。

--- Words and Idioms ---
cooperate(自動)「協力する、協働する」
not only A but also B 「AだけでなくBも」
thrive(自動)「繁栄する」「(動植物が)健康に育つ」
species(名)「(生物の)種」
 $${\uparrow}$$ 可算名詞で単複同形です。

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