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1日2題の英文和訳 【解説編】 Sep.26.2024

今日は長めの英文が1題ありますが、難易度はどうでしょうか。では、解説を始めましょう。

【第1問】
「他のやり方では検出できない特定のバクテリア由来の内毒素を明らかにするには、カブトガニの血液に45分間浸すことで十分であり、プールの中の1粒の砂の大きさに相当するような脅威を探し出すのに十分な感度がある。」

【解説】
主語が共通の2つの文がandで結ばれていて、両方ともenoughを用いた構文になっています。とても久しぶりなのでenoughの用法を簡単に確認しておきましょう。

<enoughの用法>
enoughは名詞を修飾するときは名詞の前に、形容詞や副詞を修飾するときはその後ろに置くという特徴があります。
 (ex3-1) I have enough money.
   (僕は十分なお金を持っている。)
 (ex4-1) This room is large enough.
   (この部屋は十分に広い。)

このように文中にenoughを用いたとき、「どの程度十分なのか」を表す副詞的用法の不定詞を伴うことが多いのも特徴です。
 (ex3-2) I have enough money to buy this house.
   (僕はこの家を買うのに十分なお金を持っている)
 (ex4-2) This room is large enough to seat 1,000 people.
   (この部屋は1000人が座れるほど十分に広い。)

では、今回の英文をひとつずつ確認してみましょう。
1つ目の英文はenoughは単独で用いられています。そのあとに続く不定詞は目的を表す副詞的用法です。

① Forty-five minutes of exposure is enough to reveal endotoxins.
 (外毒素を明らかにするためには45分さらすことで十分である。)

2つ目の英文はenoughが形容詞sensitiveを後置修飾しています。その後に続く不定詞は程度を表す副詞的用法です。

② Forty-five minutes of exposure is sensitive enough to isolate a threat.
 (45分さらすことは脅威を探し出すのに十分な感度がある。)

さて、さらに1文目のbacteriaを関係代名詞節が後置修飾しています。この節の中にあるotherwiseは意味に注意が必要な副詞です。

<otherwiseの意味>
 ①「(前文を受けて)もしそうでなければ」
  (ex1) You should go now; otherwise, you will miss the train.
    (キミはもう行くべきだよ。さもないと、電車に乗り遅れるよ。)
  (ex2) He helped me with my work; otherwise, I couldn't have finished it.
    (彼は僕の仕事を助けてくれた。そうでなければ終わらなかったよ。)

 ②「別のやり方で、違ったように」
  (ex3) She can't understand French, but she was pretending otherwise.
    (彼女はフランス語なんて理解できないのに、できるふりをしている。)

 ③「その他の点で」
  (ex4) The theme song isn't good, but otherwise the movie is perfect.
    (テーマ曲は良くないけど、その他の点ではその映画は完璧だ。)

上記①の意味しか知らない受験生も多いので気をつけましょう。今回は②の意味で用いられていますね。

最後に、2文目のa threatとthe equivalent sizeは名詞が連続していますね。これは前の名詞を後ろの名詞が具体的に説明する同格関係にあります。

(ex1) This is my friend Tom. (こちらは僕の友達のトムです。)

このような英文で先行する名詞my friendを名詞Tomが具体的に説明しているのと発想は全く同じです。

全体として考えることの多い英文でしたね。難易度はそれなりに高いと思います。

--- Words and Idioms ---
exposure(名)「さらすこと、さらされること」「暴露、発覚」
endotoxin(名)「内毒素」
 $${\uparrow}$$ 毒素(toxin)は内毒素(endotoxin)と外毒素(exotoxin)に大別されます。
detection(名)「探知、発見」「(犯罪の)捜査」
sensitive(形)「敏感な」
isolate(他動)「〜を孤立させる、隔離する」「〜を分離する、取り出す」
equivalent(形)「同等の、同価値の」
grain(名)「粒、一粒」「穀物」
 $${\uparrow}$$ “a grain of 〜”で「少量の〜」という意味にもなります。

【第2問】
「明らかなことは、多くの研究分野において最先端領域を前進させ続ける唯一の方法は、科学者がお互いだけでなくすべての人と協力することである。」


【解説】
主語はwhat's revealed「明らかにされたこと、明らかにされていること」で補語がthat節です。

that節内の主語はthe only wayで形容詞的用法の不定詞が修飾しています。補語は名詞的用法の不定詞句to collaborateで、直前のfor scientistsは不定詞の意味上の主語です。

“collaborate with 〜”の形で誰と協力するのかが示されていますが、前置詞句が“not just A but B”「AだけでなくBも」の形になっています。これは“not only A but also B”の変化形です。最近も取り上げましたが、あらためて確認しましょう。

<not only A but also Bの変化形>
  ① onlyがjust / simply / merelyなど同様の意味の副詞に変わる。
  ② butかalsoが省略される。
  ③ alsoが同じ意味のas wellに変わって文末に移動している。
  ①〜③の変化は複合的に起こることもある。

今回はonlyがjustに変わって、alsoが省略されているんですね。このように複合的な変化が起こるときは特に気をつけましょう。

--- Words and Idioms ---
frontier(名)「国境(地方)」「辺境」「(学問の)未開拓分野、最先端領域」
collaborate(自動)「協力する、協力して取り組む」

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