1日2題の英文和訳 【解説編】 Oct.12.2024
では始めましょう。
【第1問】
「昔懐かしい音楽を聞くことであなたが人生の特定の時期に戻ることがあるのとちょうど同じように、あなたがその瞬間に使っている言語は、関連する記憶をより水面近くまで引き上げる釣り針としての役割を果たす。」
【解説】
冒頭の従属接続詞asは「〜するように」という様態の意味です。副詞justとの相性が良いのでよくセットで出てきますね。
さて、従属節を検討しましょう。
① 主語が“listening to nostalgic music”という動名詞句、動詞がtransport、目的語がyouですから、「懐かしい音楽を聞くことがあなたを運ぶ」となります。
② どこへ運ぶのかはback to以下の副詞語句で表されていて、「あなたの人生の特定の時期へ戻って」となります。
以上を総合すると、「懐かしい音楽を聞くことがあなたを運んで人生の特定の時期へ戻す」といったような微妙な日本語になります。主語を副詞的に訳して、「懐かしい音楽を聞くことによって〜」とすると自然な日本語になりますね。
主節は主語the languageを目的格のwhichが省略された関係代名詞節が修飾しています。動詞は自動詞actなので第1文型の文ですね。asは前置詞で、a hookという名詞を形容詞的用法の不定詞句が後置修飾しています。
主節側は「言語は釣り針のようなものだ」という比喩的な内容なのに前後の文脈がありませんので、少し分かりにくかったかもしれません。
【第2問】
「記憶する自己は、経験する自己が捨ててしまわなかった僅かなことを集め、評価し、体系化する意識的な精神の一部なのである。」
【解説】
2つの関係代名詞節をきちんと訳せるかどうかがポイントです。
① your conscious mind
+ M<that gathers, evaluates and organizes the few things>
(僅かなことを集め、評価し、体系化するあなたの意識的精神)
② the few things
+ M<(which) your experiencing self hasn't thrown away>
(あなたの経験する自己が捨ててしまわなかった僅かなこと)
関係詞節は先行詞を後ろから修飾しますから、必然的にこの文は文末から訳していくことになります。
このように修飾語句が複数個連続する英文を苦手にする受験生も少なくありません。上記のように部分に分けて、ひとつずつ丁寧に訳すように心がけてほしいと思います。