1日2題の英文和訳 解説編 Mar.22.2024
和訳はできましたか?さあ、今日も解説していきますよ!
【第1問】
「チャート上で隣り合っている色見本の中にはとても似ているように見えるので、チャート上のどの名前の色が製品の色と一致するのかを審査官が明確に述べるのが困難なものもあった。」
【解説】
この文の主語はsomeです。someそのものが主語のときや主語にsomeがついているときは、「いくつかの、いくらかの」と訳すことももちろんありますが、漠然とした人や物の集合を表していることも多いです。例えば、
In this class, some students come to school on foot and others come by bike.
(このクラスには徒歩で登校する生徒もいれば自転車で登校する生徒もいる。)
この文のようにsomeが特定の数人の生徒を表していない場合には、歩いて登校する生徒や自転車で登校する生徒以外にも、バスや地下鉄や自家用車など、他の交通手段の生徒もいることが暗に示されているのです。
と覚えておきましょう。
第1問も、チャート上には似たように見える色もあればはっきりと異なる色もあるでしょうから、その含みを訳に反映させましょう。
もうひとつのポイントは有名な``so 〜 that …構文''ですね。that節が主節にあるsoやsuchと結びついた表現です。訳し方は、①結果「とても〜なので…だ」、②程度「…するほど〜だ」の2つあります。普段は結果で訳すことが多いですね。英文で確認してみましょう。
(ex1) I am so busy that I won't go to the party.
(ex2) It was such a beautiful day that we went shopping.
(ex3) I am not so sick that I will reject your invitation.
それぞれ結果で訳してみましょう。
(ex1) 僕はとても忙しいのでパーティーには行かないつもりだ。
(ex2) とても素晴らしい天気の日だったので僕たちは買い物に行った。
(ex3) 私はそれほど具合が悪くないのであなたの招待を断るつもりだ。
(ex1)と(ex2)はなんの問題もありません。しかし、主節側が否定文の(ex3)はおかしな訳になってしまいます。従ってthat節を程度の意味で訳して
「私はあなたの招待を断るほど具合が悪くない。」
と訳さなければなりません。
この構文は「主節側が否定文のときは程度の意味でしか訳せない場合がある」という点にはくれぐれも注意しましょう。
【第2問】
「自分自身の苦しい時から他人の困難に対する思いやりの気持ちが生まれる。」
【解説】
そもそもこの文の主語は何でしょうか?out ofは前置詞なのでsufferingまでは前置詞句です。前置詞句は主語にはなれませんね。そして主語もないのに前置詞句のあとにいきなり動詞comesが来てしまいます。この疑問を解決するために、次の英文を読んでみましょう。
(ex1) A cute dog sat in front of the door.
(ドアの前に可愛い犬が座っていた。)
この英文の主語はもちろんa cute dogです。動詞がsat、in front of以下は前置詞句です。主語と動詞しかないので第1文型の文ですね。このような第1文型の文は前置詞句を始めとした副詞語句を伴うのが基本ですが、この副詞語句を強調するために文頭に出すことがあります。すると…
(ex2) In front of the door sat a cute dog.
主語と動詞が入れ替わっているのが分かるでしょうか。これを強調のための倒置といいます。第1文型の文で主に場所を表す副詞語句が文頭に出たときにこの倒置が起こります。倒置にはその他のパターンもありますが、今日はこの倒置を覚えておきましょう。
したがって、この英文の主語はa compassionate considerationですね。倒置さえ見抜けば難しい文章ではありませんね!訳すときは語順通りに副詞語句から訳していくのが良いでしょう。
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