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1日2題の英文和訳 解説編 Apr.5.2024

今日の英文は何がポイントだったのでしょうか?それでは解説していきましょう。

【第1問】
「彼女が夫に自分が何か調査員の力になれるかどうかについての心配を述べているのを郷堀は覚えていた。」

【解説】
主語がGohori、動詞がremember、目的語がthat節で文末までです。that節内のwhether節は名詞節で前置詞overの目的語になっています。
さて、この英文で確認したいことは2点あります。

まずは接続詞whetherの用法を確認しましょう。whetherの用法は大きく分けて2つあって、1つ目は「〜かどうか」という意味の名詞節を構成する働きです。名詞のカタマリを作りますので、文中でいろいろな使い方ができます。下の例文で同じwhether節がいろいろな役割を果たしていることを確認してください。

(ex1) Whether she will come is a big problem. 【主語】
  (彼女が来るかどうかが大問題だ。)
(ex2) It is a big problem whether she will come. 【真主語】
  (彼女が来るかどうかが大問題だ。)
(ex3) I don't know whether she will come. 【目的語】
  (僕は彼女が来るかどうか知らない。)
(ex4) The problem is whether she will come. 【補語】
  (問題は彼女が来るかどうかだ。)
(ex5) I am thinking about whether she will come. 【前置詞の目的語】
  (僕は彼女が来るかどうかについて考えている。)
(ex6) He asked me a question whether she will come. 【同格節】
  (彼は僕に彼女が来るかどうかという質問をした。)

ちなみに接続詞ifにも「〜かどうか」という意味がありますが、whetherと交換可能なのは(ex2)と(ex3)だけです。

もう1つは譲歩の従属節を構成する用法です。"A or B"の形で「AであろうとBであろうと」という意味になることが多いです。譲歩の従属節なので未来のことでも現在時制で表すことに注意しましょう。

(ex7) Whether she comes or not, I will go to the party.
  (彼女が来ようと来なかろうと、僕はパーティーに行くつもりだ。)
(ex8) Whether you like it or not, you must do the work.
  (好むと好まざるとにかかわらず、キミはその仕事をしなければならない。)

今回の英文では、whether節は名詞節で前置詞overの目的語になっていますね。このoverは「〜について、〜をめぐって」という意味です。

さて、もう1つのポイントは"of any help"です。これはいわゆる『of + 抽象名詞』というもので、全体として形容詞の働きをします。よって、次のような書き換えが成立します。併せて、よく出てくるものを確認しておきましょう。

(ex9) This book is of use.   $${\Longleftrightarrow}$$   This book is useful.
  (この本は役に立つ。)

 <of + 抽象名詞>
   of help「役に立つ」(= helpful)
   of use「役に立つ」(= useful)
   of importance「重要な」(= important)
   of sense「分別のある」(= sensible)
   of value「価値のある」(= valuable)

この表現の便利なところは、抽象名詞に形容詞をつけたり、noをつけて否定の意味にしたりすることができる点です。

(ex10) This book is of no use.
  (この本は全く役に立たない。)
(ex11) The data were of great importance.
  (そのデータは非常に重要だった。)

今回の英文も(anyを無視すれば)書き換えができますのであらためて確認しておきましょう。

【本文】She could be of help to the researcher.
     $${\updownarrow}$$
【書換】She could be helpful to the researcher.

--- Words and Idioms ---
express(他動)「〜を述べる、言う」「〜を表現する、伝える」
worry(名)「心配、不安、懸念」「心配事、悩みの種」
 $${\uparrow}$$  前者の意味なら不可算名詞、後者なら可算名詞です。

【第2問】
「私たちは今や、無意識が根本的に我々の行動を支配しているという主張が著しく誇張されていることを示すいくつかの基本的な問題がその実験の設定に存在する、ということを知っている。」

【解説】
weが主語、knowが動詞、その直後から文末までがthat節で目的語です。that節の中がやや複雑で、下の3つの文から成っています。

①there are several basic problems with the experimental set-up
②that suggest the claims are significantly exaggerated
③that our unconscious fundamentally rules our behavior

②のthatは主格の関係代名詞で、先行詞はseveral basic problemsです。もし先行詞が直前のthe experimental set-upならばsuggestに三単現のsがつくはずです。こういった点もヒントになりますね。

③のthatは接続詞で名詞節を構成しています。この名詞節は直前の名詞the claimsを具体的または補足的に説明する同格節です。同格にはいくつかのパターンがありますので、明日の週末英文法でまとめようと思います。ぜひご覧ください。

今回の英文のようにいくつかの節が接続詞や関係詞で結ばれている英文は、ひと目見ただけでは理解しにくいものです。まず一番大切なのは節の範囲を正しく確定することです。その後にひとつずつその節の役割を考えていきます。そして一気に訳そうとせず、節ごとに丁寧に訳していくことが大切です。

今回の英文こそ、ふだんから文構造を丁寧に考えているかどうかが問われます。今後も一緒に練習していきましょう。

--- Words and Idioms ---
set-up(名)「仕組み、設定、機構」
   $${\uparrow}$$ setupと綴ることが多いです。
claim(名)「主張」「(当然の権利としての)要求」
unconscious(名)「無意識」
   $${\uparrow}$$ 「無意識の」という意味の形容詞として使うのが普通です。
rule(他動)「〜を支配する、統治する」「〜を裁決する」
exaggerate(他動)「〜を誇張する、大げさに言う」「〜を強調する」

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