1日2題の英文和訳 解説編 Mar.27.2024
今日は問題の難易度に落差がありましたね。特に第2問を正確に訳せたかが気になります。では解説していきましょう!
【第1問】
「自分の言語や文化や民族の起源が現在の国境を越えたところにあるということを受け入れることは、一種のアイデンティティの喪失である。」
【解説】
動名詞acceptingがthat節を目的語にとっていて、acceptingからboundariesまでが主語、動詞がis、補語がa kind of surrenderです。
that節内の動詞lieには大きく分けて2つの意味があります。本問は(ex2)の「存在」の意味で用いられています。
(ex1) He was lying on the sofa when I entered the room.
(僕が部屋に入ったとき、彼はソファーに横たわっていた。)
(ex2) My hometown lies to the south of this city.
(僕の故郷はこの街の南方にある。)
最後に、名詞peopleを「人々」と訳してもよく分からない文になってしまいますね。peopleには「国民、民族」という意味があって、この場合は可算名詞なので不定冠詞のaや複数のsがつきます。今回は所有格がついていますね。ぜひ覚えておきましょう。
(ex3) The Japanese are a hardworking people.
(日本人は勤勉な民族だ。)
【第2問】
「このような『まだましな』エネルギー源を支持する考え方は、もし20年前ならば通用したであろう。」
【解説】
この英文の最大のポイントは「なぜ動詞が"could have worked"という形になっているのか?」という問いに答えることです。助動詞canには過去形couldがありますから、わざわざ完了形を使う必要はありませんよね。ではなぜ…?
この「助動詞過去形+完了形」という形を使う代表的な文は仮定法の文です。
(ex1) If you had helped me, I could have finished my homework.
(もしキミが手伝ってくれたら、僕は宿題を終えられたのに。)
この文のように条件節(if節)があれば仮定法に気づくのは容易です。しかし、仮定法の文の中には、条件節を他の表現で代用する場合があるのです。代表的な例を見ておきましょう。
(ex2) 前置詞句で代用 (= if you had helped me)
With your help, I could have finished my homework.
(キミの助けがあれば、僕は宿題を終えられたのに。)
(ex3) 不定詞句で代用 (=if you were to hear her speak English)
To hear her speak English, you would take her for an American.
(彼女が英語を話すのを聞けば、キミは彼女がアメリカ人だと思うだろう。)
(ex4) 分詞構文で代用 (=if he had been born in better times)
Born in better times, he would have become a famous writer.
(もっと良い時代に生まれていたら、彼は有名な作家になっただろう。)
(ex5) 副詞語句で代用 (= if he had lived a century ago)
He wouldn't have recovered from the illness a century ago.
(100年前だったら、彼はその病気から回復しなかっただろう。)
(ex6) 名詞で代用 (= if you were a person of sense, you 〜)
A person of sense wouldn't do such a thing.
(良識のある人ならば、そんなことはしないだろう。)
今回は(ex5)の例文に該当し、"a couple of decades ago"が条件節の代用表現です。代用表現を発見したらきちんと「もし〜ならば(だったならば)」と訳して、「私は気づいていますよ!」と採点者にアピールしましょう。
このいわゆる「隠れた仮定法条件節」に気づくためには、英文中に助動詞の過去形がある場合に、なぜそれが使われているのかを常に考える習慣を持つことです。もちろん仮定法以外にも、推量の意味だったり本当に過去の文だったりもします。
日々接する英文の中に助動詞の過去形が使われていて、その説明がつかない場合には、絶対に曖昧にせずに学校の先生や予備校の先生に聞きましょう。もちろん僕でも構いませんよ!
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