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1日2題の英文和訳 解説編 Apr.25.2024

今日は短い英文と眺めの英文の組み合わせでしたが、いかがでしたか?2題ともそこまで複雑な英文ではないので、辞書を使いつつ丁寧に訳せば日本語にできたのではないでしょうか。それでは解説していきましょう。

【第1問】
「私たちが深く信じていることを再考すると、私たちのアイデンティティが脅かされ、まるで自分自身の一部を失いつつあるように感じてしまうことがある。」

【解説】
主語が動名詞句で他動詞threatenが目的語identitiesをとっている単純な第3文型の文です。動名詞句の中の"we believe deeply"は目的格の関係代名詞が省略された関係代名詞節でsomethingを修飾しています。

making以下は分詞構文ですが、特段の意味を持っているとは思えないので連続的に訳しました。canは能力ではなく可能性の意味です。

identitiesまでなら直訳でも良いと思いますが、分詞構文の部分が無生物主語構文の形になっています。
直訳だと「まるで私たちが自分自身の一部を失いつつあるように感じさせる」ですが、そんなにおかしな日本語とも思えませんので、そのままでも良いとは思います。
僕の訳例は、主語の動名詞句を手段や条件のように考えて全体を訳しました。無生物主語構文に慣れてくれば容易に訳せる文章ではないかと思います。

--- Words and Idioms ---
reconsider(他動)「〜を再考する、考え直す」
threaten(他動)「〜を脅す、脅迫する」「〜を脅かす」「〜の兆候を示す」
 $${\uparrow}$$ 名詞形threatenとともに発音要注意単語です。
identity(名)「アイデンティティ」「正体、身元」

【第2問】
「私たちは新しい冷戦の寸前にいる。最初の冷戦は壊滅的な地球規模の紛争で疲弊した世界から生じたが、それとは異なり2回目の冷戦は、地球規模の難題が集中し、国際システムがより複雑になり、そして国際的な規範や制度に対する敬意が薄れゆく時代の中で生じた。」

【解説】
the firstは"the first cold war"で(the secondも同じ)、非制限用法の関係代名詞節がついていますので、なるべく後ろから修飾しないようにするために上記のように回りくどく訳しました。unlikeからconflictまでがおおきな前置詞句ですね。

主語がthe second、動詞がhas comeの第1文型の文で、during以下の長い前置詞句が続きます。comeは「やって来る」では意味を成さないので、僕は「生じる」と訳しました。

eraが伴っている前置詞ofの目的語は3つあります。

① converging global challenges(集中する地球規模の難題)
② a more complex international system(より複雑な国際システム)
③ diminishing respect for international norms and institutions(国際的な規範や制度に対する薄れゆく敬意)

もちろんこのように直訳でも構わないと思います。僕は少し説明的に訳しました。ここは好みの問題かなと思います。

少し長めの英文はこのように部分に分けて、ひとつひとつを丁寧に訳してからつなげることで正確な訳になりますし、文の構造もよく分かると思います。手間を惜しまないことが大切ですよ!

--- Words and Idioms ---
brink(名)「(崖などの)ふち」「(新たな状態の)寸前、瀬戸際」
weary(他動)「(人)を疲れさせる、うんざりさせる」
devastating(形)「壊滅的な、破壊的な」
converge(自動)「集中する、合流する」
norm(名)「(社会における行動の)規範、基準」
institution(名)「機関、機構、施設」「制度、慣行」

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