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1日2題の英文和訳 解説編 Mar.29.2024

今日は第1問が少し長めでしたね。日本語に訳せたでしょうか?それでは解説を始めましょう。

【第1問】
「オランダは数世紀の間海水面上昇の問題に取り組み、その問題への全く新しい対応策を考案してきたが、そんなオランダのような他の国々からイギリスは洪水管理のお手本をまねることができるだろうと主張する人々もいる。」

【解説】
この英文の最大のポイントは非制限用法の関係代名詞節です。以前も登場しましたね。あらためて要点を確認しましょう。

通常の関係詞節は先行詞を後ろから限定修飾します。下の文ではwhich以下の関係代名詞節が先行詞a red carを修飾しています。

(ex1) I bought a red car which was very expensive.
  (僕はとても高価な赤い車を買った。)

しかし、非制限用法の関係詞節は先行詞の補足的な説明になるため、原則として後ろから修飾せず、語順通りに訳していきます。限定用法との違いはカンマの有無しかありません。

(ex2) I bought a red car, which was very expensive.
  (私は赤い車を買ったが、それはとても高価だった。)

今回の英文では先行詞the Netherlandsに非制限用法の関係代名詞節がついています。先行詞が固有名詞のときは必ず非制限用法になるというのも大切な知識です。僕の訳文はあえて関係詞節から訳すことでオランダの補足説明になるようにしました。非制限用法の関係詞節は訳すのに工夫と経験が必要です。これからもたくさん練習していきましょう。

その他のポイントとして、主語がsomeになっていますが、不特定複数の人々を表しています(「何人かの人々」ではおかしいですよね?)。なので、「〜する人もいる」と訳しましょう。

最後に細かい話ですが、この文は現在時制の文なのにthat節内にcouldが使われています。これは現在または未来に対する可能性や推量を表しています。「〜できるだろう、〜かもしれない、〜も有り得る」のように訳すと良いでしょう。

--- Words and Idioms ---
imitate(他動)「〜をまねる」
model(名)「模型」「型、形式」「模範、手本」
battle(他動)「〜と戦う、闘う」
devise(他動)「〜を考案する、立案する」
approach to 〜 「〜への接近」「〜への取り組み、手法」
   $${\uparrow}$$ このapproachは名詞です。動詞の用法もありますね。

【第2問】
「次に起こるどんな戦争においても歴史問題が重要な役割を果たす可能性が極めて高い。」

【解説】
この英文ではlikelyの使い方について学びましょう。次の英文を見てください。

(ex1) It is likely that he will win the match.
(ex2) He is likely to win the match.

両方とも「彼はその試合に勝ちそうだ。」という意味の英文です。itを主語にしてthat節を用いても良いですし、heを文の主語にすることもできます。この書き換えができる構文を主語繰り上げ構文と言います。
ということは、今回の英文も下記のように書き換えることができますね。

(ex3) Historical issues are highly likely to play a key role in 〜.

この構文については今度の週末英文法で掘り下げます!ぜひ読んでください。

さてもう1点。前置詞inの目的語は複合関係代名詞whateverが導く名詞節です。複合関係代名詞(whatever、whichever、whoever、whomever)が導く節には働きが2つあります。
ひとつは、節全体が名詞節となる働きです。

(ex4) Whatever he said sounded interesting.【文の主語】
  (彼の言うことは何でも興味深く聞こえた。)
(ex5) The rich lady bought whatever she wanted.【buyの目的語】
  (そのお金持ちの夫人は欲しいものなら何でも買った。)
(ex6) Her favorite movie is whatever her husband sees.【文の補語】
  (彼女の好きな映画は夫が見るものなら何でもだ。)
(ex7) I will give this book to whoever wants it.【前置詞の目的語】
  (僕はこの本を欲しい人なら誰にでもあげるつもりだ。)

文中における名詞の働きは文の主語、補語、目的語、そして前置詞の目的語になることです。節全体が一つの名詞のカタマリですから、節全体でその働きをしているのが分かるでしょうか。

もうひとつの働きは譲歩の意味を持つ従属節を構成します。

(ex8-1) Whatever you say, I will go to America.
  (キミが何を言おうとも、僕はアメリカへ行くつもりだ。)

文の要素にならずに独立した節を構成しているのが分かりますか。このとき、以下の書き換えが可能です。

(ex8-2) No matter what you say, I will go to America.

また、whateverとwhicheverは名詞とセットで使うこともできます。このとき厳密には複合関係形容詞と呼びます。

(ex9) I will buy you whatever book you want.
  (僕はキミに、キミがほしいならどんな本でも買ってあげよう。)
(ex10) Whichever way you may choose, you can reach the station.
  (どちらの道を選んでも、駅に着くことができますよ。)

これ以外に複合関係副詞というものもありますね。そのうち、週末英文法で取り上げようと思っています!

--- Words and Idioms ---
play a 〜 role/part in … 「…で〜な役割を果たす」
 $${\uparrow}$$ 「〜」の部分には何らかの形容詞が入ります。
key(形)「重要な、主要な、鍵となるような」



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