1日2題の英文和訳 解説編 Mar.20.2024
それでは解説していきましょう。自分の和訳と対照させてみてね!
【第1問】
「参加者が訛りを理解するのをより容易にすることが、彼らがネイティブスピーカーではない人々を信じる傾向を強めるはずだ。」
「(別訳)参加者が訛りを理解するのをより容易にすれば、彼らがネイティブスピーカーではない人々を信じる傾向が強まるはずだ。」
【解説】
この文の主語はmakingからaccentまでの動名詞句。makeは第5文型で、
``make + O + C''「OをC(の状態)にする」
という意味を表します。目的語のitは形式目的語で、真の目的語は``to understand the accent''の部分。名詞的用法の不定詞句ですね。この不定詞句には意味上の主語がついていることにも注目しましょう。
さて、動詞increaseには助動詞shouldがついています。shouldといえば『義務』を表す代表的な助動詞で、「〜すべきだ」と訳すことが多いですね。
(ex1) We should be kind to old people.
(私たちは高齢者に親切にすべきだ。)
しかし、shouldにはもうひとつ、推量を表して「(当然)〜のはずだ、恐らく〜だ」という意味があります。
(ex2) He should already be at home.
(彼はもう家にいるはずだ。)
本問もそうですが、学習を進めていくと「〜すべきだ」と訳して意味が不自然になるケースが増えてくると思います。このshouldの意味を忘れないでおきましょう。
【第2問】
「過去の文化を研究している考古学者や人類学者たちに最も大きな手がかりや洞察をしばしば与えるのは、私たちがほとんど考えることのない小さな文化の断片なのである。」
【解説】
``bits and pieces'' というフレーズがあります。bitは「小片」、pieceは「一切れ」で、ともに大きなものの断片を表します。訳し分ける必要性を感じませんので、ここではまとめて「断片」と訳しました。
さて、文法的なポイントを解説しましょう。この文はもともと以下のような文でした。少し長いので短くしています。
(ex1) The small bits and pieces of a culture often deliver the greatest clues and insights.
(小さな文化の断片がしばしば大きな手がかりや洞察を与える。)
(ex1)の主語を強調構文で強調すると以下のようになります。強調構文は強調したい語句を``It is 〜 that …''の「〜」の部分に入れてしまいます。訳すときは原則としてthat以下から訳します。
It is the small bits and pieces of a culture that often deliver the greatest clues and insights.
(しばしば大きな手がかりや洞察を与えるのは、小さな文化の断片なのである。)
この文章にcultureを先行詞とする``that we barely think about''という関係代名詞節や、archeologists and anthropologistsを後ろから修飾するstudying以下の現在分詞句が加わったのが問題文です。
授業でよく僕は「強調構文はね、作るだけなら中学生レベル、長文の中で的確に見抜くのは達人レベルなんだ。若い頃の僕はよく引っかかって…」なんて話をします。でも、自力で発見できた時の喜びはすばらしい。頑張ってレベルを上げていきましょう!
なお、強調構文については今週末の「週末英文法」で詳しく取り上げますので、ぜひ読んでくださいね!
最後に、ここで用いられているdeliverという他動詞は「〜を配達する」という意味の他に、「(演説など)をする」「〜を引き渡す、明け渡す」「(義務や約束)を果たす」「(スポーツでボールなどを)投げる、パスする」など、とても意味が多い動詞です。辞書を一読しておくことをお勧めします。
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