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1日2題の英文和訳 【解説編】 May.9.2024

私立大学編の4日目です。今日も張り切っていきましょう。

【第1問】
「それが現在存在している生態系を変化させないというのは考えが甘いだろう。」

【解説】
形式主語のitに対して真主語の不定詞句がある単純な構造の文です。不定詞句のthinkはthat節を目的語にとっていますので、1つ目のthatは名詞節を導く接続詞です。2つ目のthatは主語になっていますので、前出の内容を指す指示代名詞です。「それ、そのこと」と訳すほかありませんね。

3つ目のthatは主格の関係代名詞で、関係代名詞節はecologyを修飾しています。ところで、節内で用いられている形容詞のpresentは注意が必要です。下にまとめておきましょう。

<形容詞presentの意味>
 ①【限定用法で】現在の、今の
   The present government is considering tax increases.
   (現在の政府は増税を検討している。)
 ②【叙述用法で】出席している
  Not all the students were present at the meeting.
   (すべての学生がその会議に出席したわけではなかった。)
 ③【叙述用法で】存在している、記憶されている
  These minerals are present in our body.
   (これらのミネラルは私たちの体内に存在している。)

なお、①の「現在の、今の」という意味で限定用法で用いるときはtheか所有格が必要である点にも注意してください。今回の英文ではpresentが叙述用法で用いられていますので、③の意味で訳しました。

--- Words and Idioms ---
naive(形)「(悪い意味で)世間知らずな、考えが甘い」「(良い意味で)純真な、無邪気な」
ecology(名)「(生物と環境の関係という意味での)生態系」「生態学」


【第2問】
「年長の女の子たちは実際は、年長の男の子たちが男の子を選ぶよりも、最高の成績を持っているとして女の子を選ぶ可能性が高く、これは、この年代では男の子よりも女の子のほうが学業成績が良いという現実と一致している。」

【解説】
likelyが比較級になった比較の文で、男の子が同性を選ぶ可能性と女の子が同性を選ぶ可能性を比べています。比較の文にはよくあることですが、thanの後ろには省略があります。

〜 than older boys were (likely) to select boys

省略に気づかなくても訳せることもありますが、省略に気づいて初めて正確に訳せることも多いです。『省略要素は必ず復元する』というのは英文和訳の鉄則です。

consistent以下はbeingが省略された分詞構文で、前文の内容を受けています。つまり、

〜 to select boys, which is consistent with the reality that ….

このように主節の内容を先行詞とする非制限用法の関係代名詞whichを補って訳すと自然な訳になりますね!
また、分詞構文内のthat以下はthe realityに対する同格節です。同格は本当によく登場しますね…。

--- Words and Idioms ---
be likely to do 〜 「〜しそうである、〜する可能性が高い」
consistent(形)「一致した、調和した、矛盾のない」「一貫性のある」
be consistent with 〜 「〜と一致している、〜と調和している」

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