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愛しのグラニースクエア【編み物に恋して】

私とグラニースクエアとの出会いは数年前のオランダの田舎町。
蚤の市やフリーマーケットで見かける古いモチーフ編みのブランケットやひざ掛けは本当に美しくて、まさにひとめぼれでした。

日本で目にするものよりも重量感があり、手に取ったりいくつか購入するうちに自分でも編みたくなって調べてみると、その伝統的なモチーフ柄には「グラニースクエア」という名前がついていました。

グラニー(Granny)=おばあちゃん、スクエア(Square)=四角形、という意味です。

どうして「グラニースクエア」という名前がついているの?疑問に思って欧米の文献を色々さがしてみました。

それによると、元々1930年代初めにこのモチーフ柄は『グラニーアフガン(おばあちゃんの編みもの)』と呼ばれていました。
セーターや帽子を編んだ残りの端糸を組み合わせたモチーフを黒糸のふち編みで仕上げたもので、ヨーロッパやアメリカでは雑誌などで取り上げられるほど流行しました。

それから約50年後、その孫世代にあたる1970年代の人たちが今度は『グラニースクエア(おばあちゃんの四角形)』というネーミングで復活・再流行させたのだそうです。

日本でも同時期に流行し、祖母の家の古いこたつカバーはオレンジ色の濃淡のグラニースクエア柄だった思い出があります。

美しいグラニースクエアですが、自分で編んでみるとその楽しさったら!

基本は長編みだけなので、編み図や説明書を読まなくてもミスなく編める。
1段ごとに違う色を使うので、組み合わせを考えるのが楽しい。
編み残しの端糸が活用できる。
中心から編んでいくので、糸を使い切ったり編むのに飽きたらそこで完成にできる。

編み物は途中で飽きたり、糸が足りなくなったり、余分に買いすぎて余ったり、そんな悩みがすべて解消されるんです。

残り糸を集めてクッションカバー

以前、『編み物には心を癒やす効果がある』の記事でもご紹介しましたが、同じリズムで同じ動作を繰り返す編みもののような手作業は、瞑想と同じ効果があり、欧米ではニットセラピーとかマインドフルニッティングと呼ばれています。

基本のグラニースクエアは、長編みを3回ずつ「1-2-3,1-2-3…」。
同じリズムで繰り返すため、飾り編みの編み方を確認したり増し目や減らし目などを数えなおす必要がないのです。特に意識しなくても動作に集中できます。

集中しすぎて、作業のやめ時がわからなくなるほど。

通常の瞑想や呼吸法はなかなか集中力が続かない私ですが、グラニースクエアを編んでいるときは、無心で続けることができます。

糸を変えると表情も変わります

家にある余り糸や端糸がある程度たまったら、グラニースクエアモチーフを編むチャンス!色がバラバラでも量が半端でも大丈夫。周囲を編む色を統一することで不思議と一体感が出てきます。

緑の濃淡の余り糸で編んだ小さなマット

最近は、毛糸だけでは飽き足らずミシン糸や刺繍糸を使ってマイクログラニースクエアも編んでいるので、糸在庫には困りません。

この冬の間に何枚編めるか挑戦中です。


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