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スマナサーラ長老の本を読む

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アルボムッレ・スマナサーラ長老の著作を紹介するマガジンです。
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#ブッダ

『心配しないこと』は”比較”と”自己評価”の解毒剤 #スマナサーラ長老 #仏教書 #心理学

スマナサーラ長老の新刊『心配しないこと ブッダが教える心の整理術』大和書房が出ました。 引用した「はじめに」の言葉にあるように、本書はもっとも根深い煩悩の一つ、慢(マーナ māna)を主題にした実用的な仏教心理学読本です。自分の心配や不安の根っこにある「変化への恐れ」を自覚することが第一歩。そこから自分と他者を絶えず比較して(測って)自己評価して安心を得ようとする「慢」の働きと弊害をよく理解し、無明・欲・怒りといった煩悩と慢との関係性に目を向け、完全な覚りまで付き纏う慢との

「仏壇」に吹き込んだ新しい風 日本仏教に「原点回帰」を促すブックガイド

変化する「仏教書」――長老と青年僧 最近、大型書店の仏教書コーナーに顕著な変化が起きている。まずは、スリランカ出身の僧侶アルボムッレ・スマナサーラの本が大量に置かれていること。店舗によっては、まるまる棚一つ分を占拠していることもある。また、小池龍之介という青年僧侶の著作が平積みされていること。仏教書棚のみならず一般書の新刊コーナーにも果敢に進出しつつあるこの二人に共通するのは、「初期仏教」「気づきの瞑想」というキーワードである。今回はこのキーワードを軸に、仏教書の森を歩いてみ

スマナサーラ長老ベストブックガイド 100冊から厳選!これだけは読んでおきたい【書誌情報アップデート版】

※初出:学研ムック『ブッダの贈り物』2011年1月刊 月刊ペースで出版され続ける長老本。どれを読めばいいのか、読者としては悩ましいところだ。5つのジャンルに分けて、ガイドしてみよう。※追記:リンク先は2023年1月現在の最新版(文庫化に伴う改題,増補改訂を含む)とした。 初期仏教と出会うブッダ――大人になる道 筑摩書房(ちくまプリマー新書)2006 埼玉県にある私立自由の森学園高等学校で行われた特別講演と授業を中心に編集された青少年向けの新書本。「生きる意味」に迷う前