不眠によって得られたもの
久しぶりの更新になってしまった。
完全な言い訳だけれど、このひと月以上の間、ひどい不眠症状で毎日2時間も眠れず、睡眠薬を変えてもらってもまとまった睡眠が取れずで、深夜1時くらいから明け方までが第一の辛い時間帯(薬の副作用でしっかり眠たいのに脳は覚醒してしまい何故か眠れないという矛盾)、日中は寝不足からくる眠気と体のだるさで寝ようとするのだが、やはり1時間も眠れないといった第二の辛い時間帯が続いた。
日によっては車の運転は見合わせ、近所なら徒歩で出かけるか、別の日に予定をずらしたりしていた。
クリニックの主治医に相談したところ、「うつ病から生じる睡眠障害と考えるのが妥当ですね…癌のことや手術など色々ありましたし、心配ごとが重なり辛い状態だったと思います。人によっては過眠に傾く人もありますが、眠れなくなる人も結構います。ままずは眠りを深くし、しっかり眠れるようにしていきましょう。」との事だった。以前4分の1錠(1.25mg)から様子見で処方されたニトラゼパムを1錠(5mg)まで増量され、2錠まで服用しても良いとの指示。さらに眠りを深くするために自己調整・中止可能でトラゾドンも追加された。
そして一週間服用を続け、昨日やっと6時間眠れ、久しぶりに「眠れた!!」と実感できた。もうお赤飯を炊きたいくらい自分の中では眠れた事実がおめでたかった。
目が覚めてからも11時くらいまでは薬の影響が残り、だるさや眠気はあるが、身体のリズムを整えるためにも明け方起きたらそのまま起きて普段のローテーションで動くことにしている。
この1ヶ月ほどの間は色々な事があった。以前のような日々毎日の日記スタイルは中断されたが、メンタルクリニックは3回受診し、病院の婦人科では入院、大きな手術もあり、術後の体調不良もあった。また、まだ波はあるが、気力が少しずつ回復し新たに取り組めるようになったこと、不眠は続き体調が万全ではないので休職期間が延びたこと、病気によって改めて気づかされたこと、迷っていること、勇気を出してカミングアウトしたこなど色々と…
入院期間の10日間ほどは、パルスオキシメーターを指に装着しておりスマホの操作の方がし辛く、メモ帳に要点だけ筆記していた。あと食べたものも画像で全て保存していたので、また追々記事にしたいと思う。
眠れなくはなったが、意欲を回復させるお薬(アリピプラゾール)の効果が出てきたのか、落ちた体力や筋力を戻さないと、と自然と筋トレやウォーキングをしたくなりどうせ寝れないのだからと毎朝早朝5時過ぎから歩き始めた。最初は20分から、3日後から30分、元気のある日は40分くらい、夕方も歩きたい日は日が落ちた19時くらいから30分ほど。外も涼しいのでちょっと汗をかく程度。雨の日や調子が出ない日、眠すぎる日中は椅子に座ったり床にマットを敷いて腹筋運動や肩甲骨周りを動かしたり、子宮を摘出したので骨盤底筋が緩まないようにストレッチしたりなどしている。慣れてくると気持ちが良い。
また、3日前からは体だけでなく低下してしまった集中力を回復させたいなと意識し始めた。眠たいし、文章を沢山読むのはまだしんどいと感じる。画面も同様で映画1本観るのも終盤疲れが出てくるくらいだ。
「なら写経ならどうだろう?元々書道はしていたからこれなら続くかも」と、以前買って仕舞っていた写経用紙を引っ張り出してきた。写経の話は別のお話に繋がるのでここでは割愛するが、なかなかトレーニングとしては良い選択かも知れないと思った。
眠れないなら眠れないなりに時間は沢山ある。
無理は禁物だが、自発的にやりたいことはやっていこうと思った。
そして、受診や手術を終えたあとはいつも直属の上司と会社には経過報告をしていたが、「推定」診断だった癌が術後の病理検査で「確定」に変わったので、上司に相談したうえで職場の他のスタッフにも現在の病状をありのまま伝え、復帰が延び、治療に時間が必要なことを理解してもらいたい旨を話した。皆とても心配してくれていたようで、元気に戻ってくるまで仕事のことは気にせず療養に専念して欲しい、話してくれてありがとう、気づけなくて申し訳なかった、また戻ってこれたら仕事の話抜きで食事に行こう、また元気になったら好きな漫画や小説の話もしたい、など様々な気遣いの言葉を頂いた。私も皆に心からの感謝の気持ちと、最低限「何かどうしても分からないことがあれば常に連絡はとれるようにしておくので尋ねて欲しい」と返答した。
メンタルの病気や、癌など大きな病気に関する事を公表するのはプライバシーにも関わるし、本人の気持ちの問題や、告白される相手の気持ちを考えたらどう反応するべきか戸惑うだろうから適切な対応かどうかは賛否両論あると思う。勿論私もかなり迷ったし悩んでの決断だった。言わない配慮をとるべきか、勇気を出して言うことで納得と理解を得るべきかを長い時間天秤にかけていた。
結果、自分が逆の立場ならどうだろうと考えた。
何も知らないまま同じ職場で働く誰かが長期間休むことになり、その休みが度々延び、会社からは言葉を濁される。当然心配だし言いにくい事情なのは察しがつくがモヤモヤしないだろうか。復帰できた時、どう接するのが適切なのか悩まないだろうかと。
だから後者を選んだ。
皆一様に「話してくれてありがとう」と返してくれた。
だからこれで良かったんだと思うことにする。
まだまだ復帰までの道のりは遠いけど少しずつ坂道を上れている気がする。焦らずゆっくり上っていこう。
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