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子宮癌告知後(腹部、骨盤部MRI検査)

7月30日(火) 休職27日目

昨晩はなかなか寝付けなかった。
そして思考がパタリと止まったまま午前中は何も手につかないまま時間だけが過ぎた。
出血も止まった今、他に何の自覚症状もないため本当に自分は癌なのか、あの告知は自分の身に起きた事なのか、まだ事実を事実として受け止めきれていないのかも知れない。

でも確かに、手元に検査結果の通知はある。

想定外だったのは子宮体癌だけでなく、子宮頸癌も両方併発していたことだった。

最初のクリニックでの細胞診の結果は、子宮頸部、子宮内膜部(体部)で見られた異型細胞は同じ種類のものだと医師から説明があった。
細胞を採取する際、子宮の頸部から細い器具を入れて内膜の細胞を取りまた頸部を通って出てくるので、どちらかの細胞が反応して両方に出てしまったのかもと説明されており、現在診察してもらっている主治医からも初見で細胞診結果をみた見解は全く同じものだった。ところが確定の為の組織診ではそれぞれに別の癌細胞が見つかったということになる。

昨日の診断結果で一気に「転移していないか」が気がかりになってきた。
気になっても自分にはどうすることもできないのだけど…

今日は午後から腹部・骨盤部のMRI検査がある。12時半以降は絶食の為、朝は9時頃一食目を食べた。午前中食欲は相変わらずあまりなく、レタスときゅうりのサラダ、冷奴、作り置きで残っていた常備菜の金平ごぼうを溶いた卵に混ぜ、だし巻き玉子風にしたものを食べた。

15時15分までにMRIの待合室に向かうよう予約票には書いてあり、受付を通して直行。今月検査入院も含めて10日の間に4回も受診しているのでもうすっかり受付の窓口担当の方にも顔を覚えられてしまった。

MRIの待合室に着くと、中から技師さんが出て来られ、受付番号と氏名を確認され、アクセサリーやコンタクトレンズなど身に付けているものに問題ないか、薬剤のアレルギーはないか、他持病の既往歴などを再確認された。上は下着を外して検査着に着替え荷物ごと試着室に置いたまま試着室の鍵をかけ、鍵ごと携帯して撮影室に誘導される。鍵とマスクは室内脇のカゴに入れるよう指示された。

案内してくれたベテランの女性技師さんともうお一人助手のような若い女性技師さんが機械の前で説明してくれ、台の上に横になる。今回は腹部の撮影なので腰痛ベルトのような幅の広いベルトでがっちり骨盤を固定された。二人がかりで手早くヘッドフォンを付けられ、インカムのようなマイクも付けられ、じゃあ機械に入りますね〜と言われたのだが、「あの、そういえば造影剤を入れて検査って聞いているんですが、これからですか?」と尋ねると「はい、準備しています。最初はこのままの状態で一度撮影し、後から造影剤も入れて検査しますね。もし気分が悪くなったらこのボタンを押して下さい。」とナースコールのようなボタンを右手に握らされた。

子宮周辺の撮影だから、造影剤を入れると聞いた時てっきりまたあの診察台(分娩スタイル)で局所的に薬剤を入れられるのかと思っていたのだが、もう着替えて機械に入るしどういうシステムなんだろう?と気になっていた。

余談だが、母も妹も長い不妊治療を経験しており、二人共卵管が狭く、卵管に造影剤を入れて通り道を作る検査をしたらしい。それがもうめちゃくちゃ痛くて辛かったと聞かされていた。なので場所は違えど今回の検査も痛いヤツかなぁ、痛いのやだなぁと前日からかなり憂鬱だった。もう既に散々痛い検査や手術をしている身としては婦人科の検査がこれほど苦痛を伴うとは想像もしておらず、できるならこれ以上は二度と味わいたくない。

そんなことを思い出しているうちに機械が動き出し、細いトンネルのような筒状の中にゆっくり入っていく。

今まで頭部のMRIやCT検査は何度か経験しているが、首から下は初めて。あの工事現場にいるような独特な大音量の機械音は、今回は頭部が入っていないから多少はマシかな?と思ったが全然そんなことはなかった。体感でもすべて終るまで30分以上は撮影されていたと思う。途中技師さんから、装着しているヘッドフォンに対してで「では今から15秒息を止めて撮影します」、「次は20秒止めて撮影します」、「はい、じゃあ楽にしてくださいね〜」と指示が入り息を止めたりしながら20分くらい撮影された。

一旦機械が元の位置に戻り、今度は造影剤を入れますと言われる。右腕からの静脈注射で造影剤を入れられ、左指にはパルスオキシメーターを装着された。あ、局所じゃなくて注射するパターンだったんだ、と新たな発見。事前の造影剤に関する注意事項には薬剤の種類と持病との併用禁忌事項、副作用などの注意しか書かれていなかったので不安要素は一気に解消した。注射の痛みなんて、あの検査の痛さに比べれば蚊に刺されたレベルである。

気分は悪くないですか?と確認されながら再びMRIに入る。また息を止めたりなどしながら追加で撮影されようやく終わった。
長かった。
金曜日には結果が分かり、いよいよ癌の進行状態が判明する。

まるで裁判で判決を言い渡される前のような心境だ。

検査後、当日はなるべく沢山水分を取り造影剤を尿と一緒に排出してくださいと言われた。後日副作用が出るケースもあるので副作用が強いようなら婦人科外来まで連絡をくださいと念を押された。

今のところは大丈夫。

会計を済ませ、喉も乾いていたので院内の売店で水を買おうと入った。職場が近所なので、今までお昼のお弁当を準備しそこねた時はここの病院の売店を利用したことも何度かあるのだが、店内の介護や入院グッズの売り場に抗がん剤治療患者用の帽子やウィッグなどが陳列してあるのが目に留まった。
今まで気づかなかったがパンフレット等もある。

自分が必要としている(必要な可能性のある)ものって意識していないと意外と見落としているものなんだなぁと改めて気づく。私に必要があるかどうかは金曜日の結果次第でハッキリするが、マネキンに被せてあるウィッグの髪の毛の質感を確認しながら「そろそろ黒髪も飽きたし違う色の髪にしても良いかな」なんて思ってみた。

ひとまず悪い方には考えるのはやめよう。不安要素を自分で増やすのは辞めようと言い聞かせた。

今日も外は暑い。蝉が鳴いている。
快晴だ。

(体調)朝は検査が不安なのか落ち着かず。検査後の体調は特に変わりなし。水は帰宅してからトータル1リットルは飲んだ。夕方はあっさりめのものだけ食べる。食欲がほんの少し回復してきた気がする。

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