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ちょい読み 2025/ 1/26


・ 『「大地の再生」実践マニュアル』 矢野智徳・大内正信 著

   ー空気と水の浸透循環を回復するー
    台地の再生技術研究所 編(農山漁村文化協会 2023 )
   【千夜千冊以外】 崎谷博征さん経由で知った。

環境再生の手がかりは、雨と風の動きを丹念に追うこと。
雨が降っているとき観察すると、水と空気の動きがよくわかる。
自然地形やそこにある構造物、ものの間をすり抜けていく水と空気を読む。
地上と地下で滞っていることを探す。そこを再生していく。
人目線から離れ、自然目線で探っていくと見えてくる。

表紙裏

大東亜戦争の敗戦からの建て直しで、ある程度まで人工物の建築は、
許容範囲だったかと思うが、なんでもかんでもアスファルト化し、
自然を窒息させる方向へ手を加えていったのは。
山の「水の流れ」、「空気の流れ」を詰まらせたら、
土砂災害が起こって、家が倒壊する。人が亡くなる。
人が自然を縮小させ、循環出来なくなった自然は、人に被害をおよぼす。
自業自得だ。

養老孟司さんが「自然と人工」の話をされていた。
産まれてきた子供は、自然側の存在で、人工物で埋め尽くされた世界は、
子供が生きにくい環境だ。
もう、人工優位のやり方では、地球上でやっていけないわけで、
気付いた人から、自然との共生へ向かっている。
人工と自然の折り合いであったり、落としどころを見極める必要がある。


・ 『認知バイアス事典』 情報文化研究所 著(2021)

   ー世界と自分の見え方を変える「60の心のクセ」のトリセツー
    高橋昌一郎 監修(フォレスト出版)

   【千夜千冊以外】

第Ⅰブ 認知バイアスへの論理学的アプローチ

① 二分法の誤謬
  実際にはより多くの選択肢が存在しているにもかかわらず、
  限定選択肢しかないと思い込んでしまうことにより生じる誤謬。

② ソリテス・パラドックス
  定義があいまいな語を用いることによって生じる誤謬。

③ 多義の誤謬
  2つの前提の中で同じ語が、
  関連はあるが異なる意味で用いられることにより生じる誤謬。

④ 循環論法
  論証されるべき結論を、前提として用いる議論。
 
⑤ 滑りやすい坂論法
  比較的小さな最初のステップが、その後に起こるべきではない結果に
  導く一連の出来事を不可避的に引き起こしてしまうので、その最初の
  ステップを起こさないようにしなければならないと主張すること。

⑥ 早まった一般化
  十分なデータが出揃う前に一般化を行うこと。

⑦ チェリー・ピッキング
  都合のより特定の証拠だけに着目し、
  それ以外の不都合な証拠を無視する事。

⑧ ギャンブラーの誤謬
  赤黒のルーレットゲームのような、
  1回ごとの試行が独立なランダム事象系列に対して、
  一方が連続で出た後は、もう一方が出るに違いないと考える誤り。

⑨ 対人論法
  問題の論点ではなく、論じている論者が持つ性質などを
  批判することで、相手の主張を避ける事。

⑩ お前だって論法
  相手の主張が本人のふるまいと食い違っていることを指摘し、
  論点をそらすことで相手を負かそうとする論法。

P. 14 - P. 53 

予備校の講師の方が、配信されている動画で、読解力の前に、
まず、バイアス(思考のクセ)を知ることだと言われていた。

・ 『世界の読解可能性』 ハンス・ブルーメンベルク 著

   山本尤 ・ 伊藤秀一 訳(法政大学出版局 2005)

本来的に弱い欠陥生物である人間が
自然や自己との危険な直接的関係から身を守るために、
眼前の対象それ自体ではなく、
別のものに置き換えるというメタファー的作業によって、
いわば虚構の中で生き延びる

訳者あとがき P. 444

【千夜千冊関連】

私は、いったいこの世界の現象が何なのか、知りたいと思っている。
でも、それが本当に、「自分の問い」なのか、知りたい事なのか、
と、自問自答している。



・ 『かたちと力』 ルネ・ユイグ 著(潮出版社 1988)

   西田嘉章 ・ 寺田光徳 訳

   【千夜千冊関連】

見えるものの世界は光によって把握されるすべてを
しだいに含むようになってきた。
それが、すなわちかたちである。
また見えないものの世界のほうも、かたちの外に存在するものすべてを
含み、かたちに働きかけることをやめたわけではない。
それが、すなわち力である。

第1章 認識への扉としての芸術 P. 25