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日本の音楽とは、何だろう?

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人生最後に聴く音楽は、日本の音楽の中から選ぶだろう。
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2023年11月の記事一覧

きく【IRMA OSNO】(ペルー アヤクーチョ)

「プンピンの音楽(ペルーのカーニバル)」イルマ・オスノ&清水悠 TAKI AYACUCHO - Irma Osno(2017) フォルクローレ以前の音楽を継承しているらしい。 イルマ・オスノさんの声のインパクト。 「文字の文化」以前、 「声の文化」から継続されている歌(タキ)なのだろう。 アヤクーチョとは、ペルーにとって、とても重要な場所なのですね。 スペインからの独立戦争で勝利を決定的とした聖地。 また、遡れば、インカ以前の文明の場。 私が、聴いてこなかったペルー音

きく「想い出ぼろぼろ」内藤やす子(1976)

【 作詞:阿木燿子 ・ 作曲:宇崎竜童 ・ 編曲:馬飼野康二 】 SSWの名前"marcoporoporo"の字面を読んで、浮かんでくるイメージは、 商人"マルコ・ポーロ"ではなく、ジブリ映画"おもひでぽろぽろ"でもなく、 内藤やす子さんの歌「想い出ぼろぼろ」であった。"ぽろぽろ"ではなく、"ぼろぼろ"。"ぼろぼろ"という擬態語も使われなくなりました。 (1976年は、阿木燿子 vs 宇崎竜童 vs 山口百恵の、  三つ巴の、せめぎ合いの幕開けでもある。)

きく「Never let me go」「Little boy and girl」marucoporoporo(2018 日本)

秩父前衛派・笹久保伸(ギター)の多様性を楽しんでいたら、彼の隣でピアノを弾く女性。(約一時間の動画あり。)marucoporoporoさん。 その荻窪ライブハウスでの動画をみて、どんな人かと。 2018年デビュー。作詞・作曲・編曲の全てを行なうSSW。 エレクトロニカ・アンビエントと、ワールドミュージックの境界も溶かしながらの、ウイスパーヴォイスによる囁き。 いにしえの日本で和漢の境をまぎらかしてきたように。 個人的には、ポップ・インドネシアの女性SSWが浮かんでくる。 M

きく【木津竹嶺(きつちくれい)・木津かおり】民謡

この民謡を聴いていると、囲炉裏を囲んで、唄う者、かけ声をかける者、手拍子をとるもの、聴く者の姿がイメージされる。 でも、「民謡」が、明治時代の半ば、「Volkslide(独)」の訳語として生まれたとすれば、どこまで遡れるだろうか。そこまで古いものではないのかもしれない。。。唄のベースとなるのは、どこの国なのか。日本なのか。 。。。疑似西洋の日本ですから、そんな事をいちいち気にしても仕方がない。 木津竹嶺さんは昭和7年生まれの一桁世代。 変わっていく日本人の姿をどうみられた

きく【倍賞千恵子】

数日前、実家に帰省したついでに、「寅さん」を観た。 数年前、筑後吉井に旅行した時も、「寅さん」を観てた。 これは遠い記憶なので、定かでは無いが、 小さい頃、はじめて観た映画「ウルトラマン」の次が 「寅さん」だったような。「ウルトラマン」と「寅さん」の二本立て。 そんなカップリングあったのだろうか。 「ウルトラマン」の方は、「ウルトラ6兄弟 vs 怪獣軍団」。 ハヌマーンという神猿との 共演 共闘。 「寅さん」の内容は覚えていない。 今回(昨日観た衛星放送)のマドンナは竹下景

ながめる「天正遣欧少年使節」

千夜千冊 1518夜は、楠木建さんの「戦略読書日記」。 話として、ビジネス戦略に落とし込んでいくので、 ビジネス書が大半ではあるが、それらばかりではなく、 ユニークな選定となっている。 私の好きな本「おそめ」(石井妙子 著)を扱った章題は、 『暴走するセンス』。祇園芸妓「おそめさん」の銀座の水商売の話。 全部で21章ある内の、20章が「クアトロ・ラガッツィ」を扱っている。 章題は、『グローバルとはどういうことか』。 天正遣欧少年使節をプロデュースしたヴァリニャーノ神父に焦点を

きく「想い出の喜界島」大島ひろみ

【奄美新民謡】 2007年か2008年頃、インドネシア音楽のマイ・ブームが去り、 突如訪れたのは、奄美のしまうただった。 牧岡奈美さんを中心に。喜界島のご出身。 しばらくは、奄美しまうたを聴いていた。 音楽ブログをしていて、奄美しまうたばかりあげていたら、 マリーナ号さん(ワールド・ミュージック・ファン)という方も 奄美にはまり、城 南海(きずき みなみ)さんを中心に聴かれていた。 テレビ番組のカラオケバトルで有名になられたかと。 で、マリーナ号さんは、はじめのころは、

きく「根にもってます」在日ファンク(2014)

俗称「ネコジャラシ」の正式名称「エノコログサ」を知らなかったことを 切り口に、「常識がない」「変わってる」と言われたこと、 根に持ってます。 最近、根に持ってることあったかなぁと 忘れているほどに根に持ってました。 私なんかは、言い返すことが得意では無いので、根に持つことが多い傾向にあります。このジャパニーズ・ファンクを聴いて、解消されることはないですが、ジェームズ・ブラウン風でかっこ良いのではないでしょうか。 器が小さいながらも、かっこ良い、リズム。

きく「Huérfano Pajarillo」「Convergence」笹久保 伸【前衛フォルクローレ&現代音楽】

古楽の人、濱田芳通さんの言葉「フォルクローレは、ルネサンス音楽の子孫だ」に背中を押されて、エル・スール・レコードで「フォルクローレ」を探してましたら、とんでもない人に会ってしまったかもしれません。 笹久保伸さん。 みんな知ってるんですかね。知らないのは我ひとりのパターンでしょうか。 ギターを弾きはじめ、ベース的に扱ってからのフォルクローレ風音楽へのメロディ移行。いや、「風」ではなく、これが本当のフォルクローレ? 俺のと違う。(知ってるやつと) 多少のカルチャーショック。

読んだ「歌の心を究むべし」濱田芳通 著(2017 アルテスパブリッシング)

ある音楽を聴きながら、それに関する本を読むのが 至福の時なのです。音楽は何を聴こうか。 濱田さんのリコーダーと、黒田京子さんのピアノの、即興。 (あやうく日本のファンク・グループ「在日ファンク」を  持ってくるところでした。  濱田さんの本に16ビートの話が出てきたもので。) ルネサンス~バロック期の古楽を演奏する濱田さんが、 ジャズピアニストの黒田さんと、即興ですから。意外でした。 濱田さんはマイルス・デイヴィスがお好きなようです。 本に書かれてました。 濱田さんの

きく「東京の花売り娘」岡晴夫(1946)

阿佐田哲也さんの小説「麻雀放浪記(1969-1972)」は面白かった。 麻雀をする人は、みんな好きなのかな。一昔前は。 映画「麻雀放浪記(1984)」のオープニング曲で 「東京の花売り娘(1946)」を聴いた。昭和21年。 戦後は食べるのに、みんな必死だ。 博打の場は、なおさら。 人間関係は三つ。 親分か、子分か、敵か。 緊迫した国際政治も同じか。 戦争も、パンデミック条約も望まない我ら。 奴隷になるのを選ぶか、死を選ぶか。 第三の道は見つかるか。