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記事一覧
【間宮ひまりSS-9】 揺蕩う思考
「お疲れ様でしたー!」
アタシはカバンを肩に掛けて大きく手を振って店を後にする。
今の時刻は夕方4時を少し超えた頃。
今日は休日で、アタシは朝から喫茶店のバイトに入ってた。
個人経営で気のいいマスターがやってるお店。
休日ってだけあって割と忙しかったけど、賄いのサンドイッチがめちゃくちゃ美味しいから差し引きプラス。
シフトの融通もきくし客層もめちゃくちゃ良くて最高。
試作したから食べてみて、と
【間宮ひまりSS-8】 月の誘惑
休日の黄昏時。
いつか見たあの影を追うように平田はあの日と同じ道を歩く。
あの時から、あの女性の姿が頭から離れない。
ひまりによく似た美人の女性。
ひまりに聞いても他人の空似じゃない?と言われ、あまりにしつこく聞きすぎたのか「余計な詮索はナンセンス!そんな男はモテないぞ!」とまで言われてしまった。
そんな平田だが、気になるものは気になる。
美人にまた会えるなら会いたいと思うのは、男としてそうおか
【間宮ひまりSS-7.5】 #8'迷宮 sideひまり
【探索開始】
From:間宮 ひまり
なるほどな〜!これが迷宮ってワケね!
掲示板読みながらオカ研のとこ行ってみたんだけどこれって迷宮入ってんのかなー!?
体感なんも分かんないな〜!
迷宮がどうのとか?消すとか増やすとか?なんかよく分からん人とかなーんにも分からんけどま、いっか!
とりまその辺歩いてみよ〜!
───────
【退避】
From:間宮 ひまり
うわやば、鳥肌立ったんだけど
【間宮ひまりSS-7】 バナナフラペチーノ
授業の終わりのチャイムが鳴る。
チャイムが鳴るや否や部活へ走って向かう人、バイトへ向かう人、しばらく席から立つ様子もなくただ無意味に駄弁っている人、思い思いに放課後を過ごしている。
今日は特に依頼も受けていない。
そのまま帰ろうと私は席を立つ。
「エーウち!あーそーぼー!」
「うわ」
目前にまるで通せんぼするかのように仁王立ちしているのは同じクラスの間宮ひまり。
私は彼女を見て顔を歪めた。
【間宮ひまりSS-6】 放課後のひととき
「じーーー」
平田は目の前の少女を穴があくくらいじっと見つめる。
「ん?どうしたのー?そんなにジロジロ見て」
「まさか変なコト考えてる!?きゃー!エッチ〜!」
見つめられた少女──間宮ひまりは胸の前で手を組んで、わざとらしくそっぽを向いた。
ここは解決部の待合室。
厳密には解決部でない平田とあまり解決部に熱心というわけでもないひまりの2人が揃うのは珍しいことだった。
「あはは!ゴメンゴメ
【間宮ひまりSS-5】 恋焦がれ、夢覚める
「おはよう、誕生日おめでとうひまり」
最高の目覚めでアタシは誕生日の朝を迎える。
大好きなお姉ちゃんに、1番に祝ってもらえた。
「おはよう!ありがとうお姉ちゃん!」
アタシは向かいのベッドに座るお姉ちゃんにがばっと抱きつきにいく。
「ふふ、ひまりは朝から元気だね」
「アタシは元気が取り柄だからね!」
微笑むお姉ちゃんにつられてアタシも笑みが零れる。
お姉ちゃんが楽しいとアタシも楽しい。
【間宮ひまりSS-4】 休息のひととき
ちょきちょき、ちょきちょき
新聞とにらめっこして、切ってはノートに貼り付けて、蛍光マーカーで線を引いてを繰り返してく。
一人暮らしした先で新聞を取りたい、と言ったらひまりがそんな事を言う日が来るなんて……!とパパは感激して、二つ返事でオーケーしてくれた。
アタシもまさか自分で新聞を取ろうと思う日が来るとは思わなかった。
実家でも最近までは全く見向きもしなかったし、習字の授業か文化祭の時に使った記憶
【間宮ひまりSS-3】 向日葵の面影
とある日の休日。
平田は「暇だなー」とふらりと家を出た。
コンビニに寄ってコーラとポテチを買い、女の子に連絡してカラオケでも行こうかと思いついてスマホを手に持ちLIMEでメッセージを送りながら歩く。
ふと前を見ると、長髪の赤毛を靡かせて歓楽街の方へと歩いていく女性の後ろ姿を見つけた。
あの赤毛には見覚えがある。
平田はそれを見るや否や、その女性の近くまで駆けた。
「ひーまーりーちゃん!」
顔
【間宮ひまりSS-2】 タカラモノ
「本当にありがとうございましたっと、送信!」
掲示板にぽん、と今打ったメッセージが出る。
「えへ、良かった」
アタシはペンダントを軽く撫でた。
あのクソ教師に雑に扱われたけど、チェーンは切れてないし傷も付いてない。
箱猫に来て早々無くしちゃうなんてサイアクって思ったけど、優しい先輩達のおかげで戻ってきてくれて良かった。
かなめっち先輩の言う通り、ジャージに突っ込んだせいで無くしちゃったなら
【間宮ひまりSS-1】 箱猫への一歩
「次は〜箱猫駅〜箱猫駅〜」
電車のアナウンスが聞こえる。
アタシはイヤホンを外し、窓の外を見る。
ここは箱猫市。
アタシ───間宮 ひまりの育った街から遠く離れた場所。
「お姉ちゃん、アタシも箱猫に来たよ」
ぽつりと呟き、手元に視線を落とす。
手にした大切なペンダントをぎゅっと握りしめる。
電車は徐々に減速し、駅へと止まる。
アタシはペンダントをポケットへ突っ込み、重たいキャリーケースを