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「あなたが良ければ私なんて」はダメ!!

 いろいろと読書などの勉強を続けるうちに、「寄附」をすることは、逆に運勢を上げる行為であるとの記述に頻繁に触れました。

 「寄附」って言ったら、自分の財布からお金が出て行くんですから、目先の観点から言うと、「損」しているんです。

 社会の正義に役立っているような団体などに、自分の生活に支障の出ない範囲で、寄附行為を継続して行うのは、やってみると、大変気持ちのいいものですし、また、FP的見地からも、所得税等で「寄附金控除」などの税制優遇が受けられますので、ものすごく損してばっかということにはなりません。

 私は、マンスリー・サポーターとして、①日本ユニセフ協会と、②東京大学基金に、それぞれ月々1万円ずつ、クレジットカードからの引落しにより、寄附しています。

 1年にして、計24万円ですから、私の所帯からすると、決して小さい額ではありませんが、①日本ユニセフ協会からは、先日、10年以上、寄附継続の旨の簡単な感謝状が届いたり、②東京大学基金からは、先日、トータル30万円以上寄附すると、安田講堂に名前が載るよ、と予告メールが届いたり、ちょっとだけ面白いことが起こりつつあります。

 仏教でも、「布施」とは、与えることを意味し、そのうち、「財施」とは、金銭などによるものを指し、仏教における主要な実践項目とされています。

 先日、『恩送りの法則-仕事で、人生で幸福度を上げる考え方-』(若山陽一郎著・アスコム刊)という本を読んで、人間の思考や行動は、「ギバー」「テイカー」「マッチャー」の3つに分類されると知りました。

 もともとは、アダム・グラントという心理学者が書いた『GIVE&TAKE「与える人」こそ成功する時代』(三笠書房刊)からの記載だそうです。

ギバー…見返りを期待せずに自分の時間やアイデアを相手に惜しみなく与えられる人のこと。全体の25%。
テイカー…フォーミー(自分のために)の精神が強い人のこと。全体の19%。
マッチャー…ギバーとテイカーの中間で、人に何かしてもらったら、こちらも同じだけ返し、何か迷惑をかけてしまったら、お詫びに代えてものを渡すことで帳消しにしてもらおう、というふうに損得のバランスを考え、相手とイーブンの関係でいようという思考で動く人のこと。全体の56%。

 で、「人生が豊かになり、成功する人のランキング」もあり、第1位はギバー、第2位はマッチャー、第3位はテイカーとわかりやすいのですが、なんと第4位の最下位がこれもギバーだったそうです。

 ギバーには、「他者志向型ギバー」と「自己犠牲型ギバー」の2つのタイプがあり、前者は、自分にも相手にも利益があり、両方とも幸せになるように動けるタイプであり、WIN-WINであろうとする人で、これが第1位。

 また、後者は、ボランティア活動で自分の身や心をすり減らしていくような人で、他者に尽くすあまり、自分は損ばかりして、どんどん不幸になるタイプで、これが第4位。

 目指すべきは「他者志向型ギバー」であり、単に与えているだけではなく、自分の利益も考えている人ということになります。

 私は、寄附をするときに、単に与えているだけとは思っていません。頭の中に、大きな巡回があるのです。

 昔の言葉で言うと、「情けは人のためならず」であり、巡り巡って、自分に良いことが返ってくるのを「知りながら」与えているのです。

 よく「あなたが良ければ私なんていいの」なんてセリフを聞いたことがありますが、そういう考え方は、私の中ではちっとも格好いいこととは思っていません。典型的な「自己犠牲型ギバー」の考え方です。

 自分のこともちょっとは計算しつつ、相手のために行動しましょう。目先ではなく、長い目で見て、人生がいい方向に向きますよ。

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