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「機会費用(損失)」と大学進学の関係☆

●機会費用…人間の選択行動において、ある選択を行うことで失った(選択しなかった)ものの価値をいう。つまり、もしその行動を選択していたら、~の利益が発生したという考え方のこと。

●機会損失…営業や販売などの機会を逃すことで、本来得られるはずの利益を失う「未来的な損失」のことをいう。つまり、もしその行動を実行していれば、~の利益が得られていた(その利益分を損している)という考え方のこと。

 機会費用・機会損失は、端的に言うと、「○○をしていたら、得られたであろう利益について、○○をしなかったことによって、失った(得られなかった)であろう利益のこと」を指すのだと考えていただければ、それほど間違いはありません。

 作家の橘玲たちばなあきらは、その著作の中で、この「機会費用(損失)」という概念は、「比較優位」という概念と並んで、経済学の中で学ぶべき必須事項と指摘しています。

 今回は、機会費用(損失)のことをお話しするので、気楽にお付き合いください。
 ※比較優位は、別の機会に譲ります。

 うちの長男が、高校2年生の頃、「大学に進学しなかったら、どうなるかな?」と聞いてきたので、次のように応えました。

 「金持ちには、なることができると思うよ。例えば、ラーメン屋で、一発当てれば、ベ○ツくらい、買えるよ。」と返しました。

 これは、世の中の真実で、全くウソではありません。

 しかしながら、これには、言外に「大企業のサラリーマンになるのはかなり難しい。」ことを含んでいたのを、子どもは理解したようです。

 以来、大学進学しないという考えを親に示すことはなくなりました。

 大学に進学せずに、高校卒業後、すぐ働き始めれば、少なくとも4年間、社会に早く出るわけですから、その分の稼ぎは早く得られます。

 しかしながら、一般的な大学卒業者の給料と高校卒業者の給料とでは、かなりの開きがあり、大卒者が数年働けば、高卒者の卒業後のトータル収入を超えてしまうでしょう。

 これはサラリーマンをやる場合ですから、自分で、例えばラーメン屋などの事業を興し、一発当てることができれば、普通のサラリーマンをはるかに凌駕する収入が得られることも確かです。

 しかしながら、事業が成功する確率は、事業が10年間継続する確率が10%程度と言われている中、高いとはとても言えず、よほどの自信家か、あるいは、成り行き上、止むなく事業者を選択するのか、ということになるのが、世の中の実態だろうと思われます。

 かくして、この日本の中には、サラリーマンばかりが多く、生息しているわけです。

 ちなみに、日本に存在する会社の数は、約420万社あると言いますから、社長も420万人いるわけですね。ですので、社長にはなろうと踏み切れば、割合となれる存在です。

 端的に言うと、サラリーマンになるんだったら、それなりの大学を出た方がいい、大学入学・卒業の機会を失うことにより、大卒者に与えられる給料水準を失う(=機会費用・機会損失)ことになるからです。

 ただ、自ら事業者になって一発当てる覚悟があるんだったら、大卒者でなくても、金持ちにはなれる可能性があります。

 あのビル・ゲイツ(マイクロソフト創業者)やマーク・ザッカーバーグ(Facebook創業者)や孫正義(ソフトバンク創業者)は、大卒者ではないですが、超々たる大金持ちです。

 ただ、想像を絶する質と量の仕事をこなしたはずです。そういう根性がないならば、普通に大学卒になるのは悪い選択ではないです。

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