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更地にぼける |ひび

何日も何日も引きこもっていて、さすがに足の裏がムズムズしてきたから散歩に出かけた。

大きい道を避けて、住宅街の中をくねくねと歩いていく。ふと、目の前がバン!と大きく開けた。近所のスーパーの隣が更地になっている。この場所には、確実に何かが建っていた。それは確かなのだが、思い出そうとしても思い出せない。

子どもの頃から何百回も通った道なのに思い出せないなんて。

愕然としたけど。
同じことこれまでに何回もあったな。

18歳から7年ほど地元から出ていた。その頃は、帰る度に近所の何かが無くなって、あたかも前からいたかのように別の建物がたっていた。

地元でお気に入りの建物(免許センター)の隣に、建て売り住宅が5つほど建ったときも、前にそこに何があったか全く思い出せなかった。いまも思い出せない。さらに、免許センターの裏に現在ニトリが建設中だが、これも前は何だったのか覚えていない。

当たり前すぎるからおぼろげなのかもしれない。これからは、ちょっとぐらい覚えているための努力をしよう。

そう思って、スマホで写真を撮りながら、日が沈むまでてくてく歩いた。

余談:その後、歩いているうちに更地になったところは、中古品買い取りの店とソフトバンクショップが建っていたことを思い出した。

2020.1.21

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