『測りすぎ』を読む@オンライン
(2021.05.19のブログ記事を転載したものです)
このたび,『測りすぎ:なぜパフォーマンス評価は失敗するのか?』を読むオンライン読書会を7月18日に企画しました。
昨今,業績評価,授業アンケート,満足度調査など,あらゆるものが数値化の対象になっています。
そのような数値化は何かの目的があって行われます。しかし,その目的を達成する以上に数値化(測定)によるデメリットが大きい場合,目的達成のために数値化が効力を発揮しても,それ以外の部分に負担を強いてしまい,その結果,全体としてはマイナスになっている,ということもありえます。
また,そもそも本来知りたかったものをきちんと数値化(測定)できているのかという問題もあります。
このような数値化の問題は,目に見えない「心」を測定しようとする心理学にとっても同様に考えなければならない問題です。
そこで,今回の読書会では,『測りすぎ:なぜパフォーマンス評価は失敗するのか?』をリソースとして,数値化の問題について考える時間を作りたいと思います。
読書会の詳細は以下です。参加をご希望の方は仲嶺(abcdigroom[at]gmail.com)までご連絡ください。
話題提供者を募集しています
今回の読書会は,数値化の問題についてみんなで対話しながら考えていくかたちで進めていきたいと思っています。
その際に,対話するための話題を提供していただける話題提供者を募集しています。
提供する話題は何でも構いません。『測りすぎ』を読んで個人的に面白いと思ったところでもいいですし,みんなで考えたいことでも結構です。
たとえば,「満足度評価って本当に”満足”を測れているのでしょうか?測定できているとして,どうように役立つのでしょうか?」みたいな問いを,なぜそのような問いを取り上げようとおもったのかといった経緯を話したりしながら,10~20分くらいで発表していただけますと幸いです。
上記の発表例はあくまで一例で,必ずしもこのようなかたちで発表していただかなくても結構です。「〇〇についてみんなで考えてみませんか?」のようなかたち(みんなで考えたい問い・話題の提供)であれば,どのようなかたちでもOKです。
開催時間の都合上,若干名の募集にはなってしまいますが,話題提供にご協力頂ける方は仲嶺(abcdigroom[at]gmail.com)までぜひご連絡よろしくお願いします。
『測りすぎ:なぜパフォーマンス評価は失敗するのか?』読書会の詳細
(21.06.02追記)#本会は,日本心理学会の研究集会等への助成による助成を受けています。
日時
2021年7月18日(日)14時〜17時
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あいさつ等
話題提供+議論
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#時間は目安(隙間時間は休憩を予定)
<オンライン読書会のツール>
Zoom
|参加申し込みを下さった方にIDとPWをお送りします
主催
DigRoom:「心」「人間」「心理学」について考える研究会です。
『測りすぎ:なぜパフォーマンス評価は失敗するのか?』 の紹介(From みすず書房)
多くの人が漠然と感じているのは、業績評価が問題の本質を外れ、文脈を奪い、人間による判断の微妙さを軽視して、システムのメカニズムを知っている者だけの利益になっている、ということだ。本書は、この傾向がどこから来るのか、なぜこの傾向が非生産的なのか、なぜわれわれがそれを学ばないのか、をはっきりと説明している。…あらゆる管理職が読むべき本。ティム・ハーフォード(エコノミスト。『まっとうな経済学』)
「測定基準の改竄はあらゆる分野で起きている。警察で、小中学校や高等教育機関で、医療業界で、非営利組織で、もちろんビジネスでも。…世の中には、測定できるものがある。測定するに値するものもある。だが測定できるものが必ずしも測定に値するものだとは限らない。測定のコストは、そのメリットよりも大きくなるかもしれない。測定されるものは、実際に知りたいこととはなんの関係もないかもしれない。本当に注力するべきことから労力を奪ってしまうかもしれない。そして測定は、ゆがんだ知識を提供するかもしれない——確実に見えるが、実際には不正な知識を」(はじめに)
パフォーマンス測定への固執が機能不全に陥る原因と、数値測定の健全な使用方法を明示。巻末にはチェックリストを付す。
おすすめ副読本
吉良貴之先生の以下のようなツイートもありました。合わせて読むと面白いかもしれません。
ただそばにいることがサポートなのかなと思っています。また見に来てください。気が向いたときにご支援お願いします。