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研究計画を考えるためのステップ

卒業論文においては,自分の知りたいことを知るために何らかの研究をします。その際,いきなり研究を実施するのではなく,まずは研究計画を考えることになると思います。

この研究計画の出来が卒論の出来を結構左右することになるので,きちんとした研究計画を考えることはとても重要です。ですが,研究計画を考えるのはなかなかに難しい作業でもあります。

一応,大学での4年間はある側面においては「卒業論文を書く」ために構成されているとも言えます。たとえば,1〜2年生で実施されることの多い「心理学実験実習」は心理学的手法を学ぶとともに,心理学におけるレポート(論文)の書き方をも学びます。すなわち,「研究方法」と「論文の書き方」を学ぶのために「心理学実験実習」は実施されているとも言えます。

ゼミや演習では,「先行研究の調べ方」や「問いの立て方」,「分析の仕方」などを学ぶこともあるかもしれません。

このように,1〜3年生の講義・演習を着々と受けていけば,「自分が知りたい問いを研究し発表する」=「卒業論文」に取り組む基礎力がつきますし,研究計画を考えるための基礎力は付くわけです。

だからと言って,研究計画を簡単に考えつくかというとそうでもないわけです。ですので今回は,研究計画が考えやすくなるような情報を提供できたらと思い,研究計画を考えるためのステップを考えてみました。詳細は以下です。

Step 1:自分が知りたいことをピックアップする

卒論(研究)を通して,自分が何を知りたいのかを考えます。この段階では,キーワードレベルでも構いません。たとえば,「恋愛について知りたい」「性格について知りたい」などです。ちなみに,この場合のキーワードは「恋愛」「性格」です。

キーワードレベルではなく,もう少し具体的に知りたいことをピックアップすると次のステップを達成しやすくなります。たとえば,「人はなぜ恋愛するのかを知りたい」「性格って変えられるのかを知りたい」などです。このピックアップの仕方は,キーワードではなく,文章で自分の知りたいことをピックアップすると言い換えることも可能です。

Step 2:知りたいことを問いとして具体化する

自分が知りたいことをピックアップしたら(Step 1),その内容を問いとして具体化していきます。キーワードレベルでピックアップした場合は,そのキーワードについての何が知りたいのかを具体的にしていきます。たとえば,キーワードとして「恋愛」を挙げていたのであれば,「恋愛と友情にはどのような違いがあるのか?」などが問いとして具体的にしていく一例です。

Step 1において文章レベルで知りたいことをピックアップできていた場合は,それがそのまま問いになる場合もあります。より具体的にする場合もあります。たとえば,「人はなぜ恋愛をするのか?」は問いになりますし,より具体的な方向性の一例として「人が恋愛する理由にはどのようなものがあるのか?」もあります。

ただし,文章レベルで考えた知りたいことの抽象度が少し高い場合,研究方法を考えたり,具体化したりする段階(Step 5-6)で考えにくいことがあります。たとえば,「人はなぜ恋愛をするのか?」は少し抽象度が高いです。その場合,その問いを思いついたきっかけを思い出すと良い場合があります。たとえば,いつも恋ばかりしている友人を見て,「人はなぜ恋愛をするのか?」が気になったとすれば,「恋をする人の特徴とはどういうものか?」という問いを考えることも可能です。

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