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「五感」の罠│君が心をくれたから

続々と今シーズンのドラマが始まっている。

一通りあらすじとキャストを見て自分好みかを判断し、気になったものはとりあえず1話を見るというのが私のスタイル。

その中でも、「とりあえず1話見るか~~~」程度で、全然期待していなかったのが月9(失礼すぎる)。

簡単に言うと、好きな人の命を救う代わりに自分の五感を1つずつ失っていくという現実離れした物語なんですけど、回を重ねるごとにはまっていく罠。

永野芽郁ちゃんの演技に引き込まれるのも1つの理由なんだろうけど、この罠の正体は「五感」だと思う。それも序盤で失うものが、「味覚」「嗅覚」ってとこでいろいろ考えさせられた。

生活をする上で、「視覚」と「聴覚」は五感の中でも特に大きな役割を担っていると思っていて。まあ、だからこそそれらを失うのは物語の後半なんだろうけど。

そんな中で主人公はまず「味覚」を失い、次に「嗅覚」を失う予定になっている(3話終了時点)。

日々の生活の中でそれらが存在するのが当たり前すぎて、その恩恵を忘れているけれど、確実に「幸せ」を感じるためには必要な要素だと思う。

物語の中の描き方が美しいからなのか、永野郁ちゃんの演技力に魅せられているのか分らんが、現実離れした設定なのにいつの間にか自分に置き換えて考えてしまって、気づいたら号泣していた。

もし味覚がなくなったら、好きな人と同じものを食べて「おいしいね」って笑い合うことができない。

もし嗅覚がなくなったら、好きな人の匂いからぬくもりを感じることができない。朝の空気から季節を感じることもできなくなる。

普段意識してなかっただけで、味覚や嗅覚からたくさんの幸せを感じている自分に気づいて苦しくなった。

「人に無駄な感覚は1つとして存在しない」って、ほんとにその通り。

「マカロンは恋と夢の味」「匂いは思い出の扉」、、これから触覚、視覚、聴覚までも失っていくなんて、あまりに酷だ。

週の初めから重すぎる内容だけど、五感のありがたみを感じることができるドラマであるのは間違いない。今期のお気に入りドラマに認定します。



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