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うさぎの嗅覚は人間の約10倍だそうで

風邪をひきました。

幸いコロナでもインフルでもなく、猫が布団に粗相したので掛け布団なしで寝て起きたら寒さに負けてたというオチなのですが、かれこれ1週間程、鼻がほぼききません。

話は変わりますが、納棺師になるための適性を問われたらどんなものを想像されるでしょうか?

・真面目で思いやりに溢れて優しい人
・所作がおしとやかで品がある人
・思慮深くて相手の気持ちによりそえる人
・言葉遣いが丁寧で優しい人

一般的にはこんなところでしょうか…うんうん、全部必要。
間違いなく大事ですね、ご遺族の前では。

私ももちろん現場では上記です、物音立てずにエレガントに丁寧な所作に、優しく思いやりのある言葉に声色で日々故人様にご遺族に接しております。おるつもりです。
プロなので。

まあ、上記は接客業なら基本スペックとして持ってるか、もしくは演じれるかがベターなので、そこからかつ納棺師に向いてる人として考えるなら、あくまで私個人の主観的な基準ですが、

・感情の起伏の激しくない人
・他人の感情に引っ張られない人
・自己主張や承認欲求があまり強くない人
・時間や空間把握の感覚がシビアな人
・自身の感情に鈍感だったり顔に出ない人
・身体を動かす事に慣れている人
・理不尽な要求でもすぐ飲み込み了承できる人
・頭を下げることに疑問を持たない人
・心身ともに図太く丈夫な人
・不快感(特に嗅覚)に鈍い(顔色が変わらない)人

古の平成ブラックな中小企業の社訓みたいなやつばかりではないか……別にモラハラパワハラ体質ではないはずだけど。

ここにあげたものそれぞれに理由はあるのですが、全部述べると目が痛いだけなので今日は割愛して最後にあげた「不快感に鈍い(もしくは顔色が変わらない)人」について。

実は納棺師を志されて就業される方のうち、かなり早い段階で脱落される(離職率めっちゃ高いの)方に意外と多いのが「匂いが無理でした」というものでして。

あけすけな言い方をすればご遺体は有機物の塊なので、生命活動が止まった瞬間からその時の環境や体内の細菌、バクテリアの活動その他もろもろの要因で腐敗に向かってシフトチェンジしています。もう一気に、すごい勢いで。

その際、変化に伴いご遺体からは様々な匂いが発生しまして、要因はいろいろなので一概に腐敗臭とはいえないのですが、まあ良い匂いとは言い難く人が本能的に忌避するタイプのものでして。

ちなみにこの匂い、死因によって違うこともあり嗅ぎ分けで死因をざっくり特定できるようになったりします。とりあえず私はガンと肝疾患、薬物中毒ぐらいはなんとなく……変な特技を身につけちゃったな…匂いで死期に気づく納棺師さんもたまにいらっしゃいますよね、正直私もないとは言わない、絶対口にはださないけど。

そのくらい独特なものなので、生命としての危機意識が強い方などは本能的にまず無理なのですよね、これはもう仕方ない、この職を目指してくれたことはありがたいけれど。

慣れる匂いでは絶対ない(本能的に慣れたらいかんやつ)です。平気にはなるけど。どれだけ件数こなしてもたぶん無理。だから嗅ぎ分けが出来るんですけどね……元々、嗅覚すごくいいんですよ、兎年生まれだし。

匂いって難しいんです、不快を感じた瞬間にわりと表情に直結してしまうので……そういった意味で不快感(嗅覚)が鈍い(顔に出ない)人は納棺師の適性という意味では優れているのではないかと。それだけでいい訳はないですが。

ところで、風邪で鼻が利かないいまの私、納棺師としては最強じゃない?と少し思いましたが、施行中、血の匂いに気づかないとかは仕事に影響が出るから困るなと思い直しました。

早く治るよう、お薬飲んで早めに寝ることにします。


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