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いつか思い出したら、きっと泣いてしまう

SEVENTEENの関係でこんな興味深いロングインタビューを翻訳してくれてる人がいて、読みふけってました。

ホシウジのクリエイター組だけじゃなく他の子たちも制作に関わりだしてることとに関してほほぅと思うとか、あーやっぱりどの子もほっといても向上心がすごいんだなとか、音作りについてのかなりマニアックな話が面白いとか、バーノンのピュアさ加減が眩しくておばちゃんつらいだとか、身体言語で音楽を語るホシくん尊いだとか、言いたいことはいくらでもあるんですけど、これ読んだ上で「SUN FLOWER」の字幕版みてたら、なんかストンと腑に落ちてしまった。

デビュー一年目のせぶちは「少年期の爽やかさ」をひたすら前面に押し出していた。ホシくんはHighlightを出すときに「カッコイイ感じでデビューしたかったけど、爽やかなコンセプトだったので…」的なことを語ってたので、それが練りこまれたコンセプトメイキングの結果だった、ということがそこからもわかる。

そして上のボムジュさんのインタビューの中でプロデューサーとしてのウジくんが「爽やかさ」に強く拘っていたということが重ねて語られているのを読んで、これまでの曲やライブのときの挨拶、全部がリンクしたような気がした。

私、せぶちの曲ってどんなにハッピーな恋の歌でも「楽しい〜楽しい〜でもちょっと儚い〜」っていう、高校の文化祭の2日目みたいな感じが好きで(「いつか思い出したらきっと泣いてしまう」みたいな何か)、それがウジくんという人の感性そのものを反映してるんだなーと思うとグッとくる。

ウジくんが色付けするSEVENTEENの世界には、刹那的というのでもないがどこかに「この季節はいつかきっと終わってしまう」みたいな諦念があって、だからこそ「今だけ追える何か」に懸命な感じがする。「少年期の爽やかさ」というコンセプトに拘ったのも、いつかは制服なんか似合わない大人の男になってしまうことを知っているからだ。

それを充分に経験してわかっている我々の年代のプロデューサーとかが考えて決めてやらせるっつうならまだ話としてわかるんだけど、この子ハタチそこそこやで…。いったいどうなってるんだこの成熟しすぎた感性は。キミはいったいどういう恋愛してきたのかとか小一時間ぐらい問い詰めてみたい気が…(←違)

アラサー、アラフォーが延々活躍し続ける日本のアイドル市場とは異なり、兵役のある韓国では男子のアイドルの消費期限は基本的に短い。ごく稀に兵役や活動休止を経ても復帰して力強い活動を続けるグループもあるけど、それはまだまだ例外的な存在だ。

だからこそどのグループも、デビューから兵役までの短い季節を全力で駆け抜ける。それがK-POPの世界に独特の、スポーツの世界みたいな力強さと儚さ、閃光のようなインパクトを与えてる部分は大きいと思う。

そんな中でもSEVENTEENの「今しかない」と常に思わせるような真っ直ぐな成長の過程と、与えられたコンセプトを生き抜こうとしている彼らのその年齢らしからぬプロ意識に常に脱帽してる。

そしてその根底には、クリエイターとしてのウジくんの個人的な感性が大きく影響してるんだな、と今回あらためて思ったわけです。せぶちをせぶちたらしめているのは、やっぱウジ先輩なんだ…

こうやって着実な成功を収めつつも決して慢心しない彼が、この先どんな人たちと関わってどんな風に成長していくのか見たいし、それがどんな風に次のアルバムに収斂して行くのかも見ていたい。

「悲しい歌を歌う」という「初めて」もまた、自分たちの行き着く場所への一つの通過点と考えているらしい彼らの見つめる次の風景が楽しみです。

それですら、いつか思い出したら泣いてしまうような儚く眩しい季節で、私たちは彼らの姿を瞬きも忘れて心に焼きつけるしかないんだろう。きっと全てが楽しくて、同時にほんの少しだけさびしいんだろうな、と。

#せぶち #SEVENTEEN #アイドル #KPOP #201704

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