第4章:こんな人たちと一緒に働きたい。
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私の第二の就活。岡山ひとり旅。まずはゲストハウス有鄰庵へ。
あいにくこの日はゲストさんが少なく、女ドミは私ひとり。
優しいスタッフさんに教えられて近くのおでん屋さんへ。
恐る恐るカウンターに座る。
若い女子がひとりで来るのは珍しかったらしく、お店の大将や隣に座っていたおじさまが話かけてくれました。
「瀬戸内エリア、岡山、ゲストハウスに興味あるんです!!」
興奮気味に話す私に優しく倉敷の事をたくさん教えてくれました。
大将「美観地区の大原美術館は行ったかい?どうだった?」
私「はい、行きました!でもちょっと...難しくてよく分かりませんでした...」(うわー、こんな事言ったら怒られるかな、、終わったーーー)
大将「素直でよろしい。それで良いんだよ。印象に残った絵があったらそれを大事に覚えておきなさい。しばらくしてまた美術館に行ったら違う発見がきっとあるよ。」
隣のおじさま「明日の朝は何してる?時間があれば私が働いているホテルのロビーにおいで。お茶でも飲みながら倉敷の話をしましょう。」
受け取った名刺を見てびっくり。とても有名なホテルのお偉いさんだった...!
実際に次の日にホテルへ行ったら、奥の方から素敵なお茶セットを持って現れ、小1時間倉敷の歴史や暮らしの事を話してくれました。
倉敷美観地区に誇りを持って、ここの地で働いている、というのがひしひしと伝わってきて一瞬で倉敷のファンになりました。
実はこのおでんやさんではもう一つの出会いが。
「奥の席で有鄰庵のオーナーと女将たちがご飯食べてるよ。」
「え???」
「そ、それはぜひ、、お、お会いしたいです!」
まさかの展開。有鄰庵御一行様がお食事されておりました。
事情を話すと、有鄰庵のオーナーさんが
「この後、近くのバーに行くから一緒においでよ。そこで話しましょう。」
言われるがままに後ろからちょこちょこ付いて行ってバーへ。
その場でパソコンを広げて、有鄰庵のコンセプトや仕事の事を写真を交えながら話してくれました。話の内容もすごく良かったのですが、それ以前に見ず知らずの大学生にこんなに熱心に耳を傾けて話をしてくれている。という今この現実が嬉しすぎて涙が出そうになりました。
興味があるなら一緒に働こうや。と誘ってくれるオーナーさん。
大変な事も沢山あるけど毎日楽しいよ!と話すゲストハウスの女将さん。
悩んでるならやめた方が良い。楽な道ではないよ。と厳しい声をくれた人も。
誰も私の行く道は選んでくれないから自分で決めるしか無いな、という強い意思がこの時に生まれました。
そして次の日は倉敷の隣町にある有鄰庵の姉妹店「ゲストハウスいぐさ」に泊まりました。
まず、最寄りの早島駅に降り立つと一面に広がる田園風景が。美しいー!
歩き始めると路地や水路、畑など懐かしく落ち着く光景が広がっていました。
宿に到着するとお姉さん2人が出迎えてくれました。
宿長のお姉さんは、世界一周旅行に出発して1カ国目の中国を旅している時に何か違う、先が見えない、と思いたまたま紹介してもらったゲストハウスいぐさの宿長スタッフに応募して中国と岡山でスカイプ面接して数ヶ月前に帰国してここに来た、とのこと。しかも出身は北海道でこれがはじめての岡山。
.....いやいや、話のスケールがでかすぎるよ。
世界一周に行くためにお金を貯めて、友達が壮行会もしてくれて、見送られて出発したのに1カ国目でもう日本に帰国。
彼女はこの一連の流れをものすごく楽しそうに面白そうに話すんです。自分の気持ちに正直でその感情を大事にしてすぐ行動にうつしている彼女の事を私はかっこいい!と思いました。
そして彼女はとにかく明るくてポジティブ。口から出てくる言葉は前向きなものばかり。
もうひとり最近働きはじめたという女性。この町の特産であるい草を栽培している事や、地域文化、暮らし、岡山や早島町の良さなど色んな話をしてくれました。どれも未来に向けての話。こんな事をやりたい!という熱量がとっても伝わって来ました。
こんな人たちと一緒に働きたい。
そう思いました。こういう人たちと一緒に働いて、時間を共にしたい。その先に待ってる私の未来はどんな感じ何だろう!!ワクワクが止まりませんでした。
次の日は元々2度目の豊島に行こうと思っていたのですが予定を変更して1日早島を散策。
そして私は早島にどハマりします。一見何もない普通の町なのですが、ちょっと歩くと神社があったり、高台から町を見下ろすことが出来たり、水路が沢山あったり、何だか地形が興味深い。
後から聞いたらここは元々島なんだよ、と。
町の人たちも優しくて、たった1日なのに色んな人と会話をしました。ほとんどおじいちゃん、おばあちゃんでしたが、みんな早島を楽しんで行ってね、と声をかけてくれてなんてあたたかい町なんだと感動しました。
就職を辞めてここに来たい
その気持ちはだいぶ固まって来ました。
その為に乗り越えなきゃいけない壁が沢山あったので埼玉に帰ったらどうするか、それを帰りの夜行バスでずっと考えていました。
ゲストハウスいぐさのブログを遡っていたら私が滞在した時のブログがまだ残っていました。恥ずかしい...けどこれは私にとってとても大切な思い出。
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