課題の"質"の重要性
こんにちは、Carat 松本です。
社内外のメンバーなど様々な方と関わることが増えてきましたが、優秀だなと感じたり安心して仕事を任せられるなと思える方に共通していることの1つに、課題の洗い出しや整理の上手さがあるなと思い、そのあたりについて振り返り・言語化してみようと思います。
そもそも"課題"とは?
組織規模が小さい時や前職の同僚等でバックグラウンドが同じメンバーが多いなどの場合はあまり起きていなかったのですが、徐々に関わって下さっているメンバーが増えたり入れ替わったりすると、そもそも特定のワードの定義をしっかり行うことも非常に大事だなと最近感じています。
それゆえ"課題"というワード1つとっても、認識齟齬が生まれているケースが度々ありました。"課題"とセットで会話されるワードについて簡単に整理しておこうと思います。
なぜ"課題"の整理〜特定が重要なのか?
課題を整理し対応すべき課題を特定しない限り、採るべき解決策が間違ったり行った改善アクションが徒労に終わる可能性が高いためです。
会社目線で見ると何かしらの改善アクションを行う場合、そこに人件費や時間軸などがかかるため、投資すべきなのか意味のある活動なのかを見極める必要があります。当然メンバーにも成果を出して欲しいですし、意味のない仕事だったなとならないようマネジメントする必要があります。
より詳しくは「イシューからはじめよ」という名著があるので、読んだことがない人は是非読んでください。
良くないケース例①「課題が洗い出せていない」
コンサルの人が良くいう「それMECE(ミーシー)なの?」というやつです。
私自身もMECEという言葉はあまり使いませんが、ちゃんと課題は洗い出せているのかはよく問います。MECEかどうかはそこまで意識しなくても良いですが、一定の視点・角度で洗い出しを行ったのかは非常に重要です。
CPA(登録完了)が悪化しているというファクトがあった場合に
・CPIが悪化している
だけではなく
・CPIが悪化している
・登録完了率が悪化している
のように考え得る可能性をある程度、網羅して欲しいという形です。上記のように網羅性が不十分だと、とり得る改善策も少なくなってしまいます。
次にこの網羅性には、横への広がりと縦の深堀りがあると思っています。
良くないケース例②「課題の深堀りが弱い」
例の続きになりますが、ケース例①で仮に下記のように課題を洗い出したとして、そこに解決策を当てはめてみると下記のようにフワッとしたものになり解決策の確らしさが分からなかったり、具体性に乏しい解決策になってしまったりします。
・CPIが悪化している ← CPIを改善する、CPIが悪い広告を止める
・登録完了率が悪化している ← 登録完了率を改善する、プロダクトを良くする
これでは仕事とは言えないし、会社・マネージャーも良しとはなりません。そこで言わずもがな「深堀り」が必要になってきます。
深掘りをする際に代表的なフレームワークに「なぜなぜ分析」というものがあり、聞き馴染みがあるかもしれません。
再度 例に戻って少し深掘りをしてみると下記のようになり、本来はもう1-2階層深掘りが必要かと思われます。
・CPIが悪化している
- CTRが悪化している
- フリークエンシーの上昇
- CTRの悪い広告のインプレッション比率が増加している
- CPMが悪化している
- 他社が入札を強化している
- フリークエンシーの上昇
- 予算を引き上げ過ぎた
・登録完了率が悪化している
- 登録意欲が低いユーザーの獲得が増えている
- 上記ユーザーが獲得されそうな広告・訴求が行われている
- そもそもプロダクトで不具合が発生していた
ここまで課題の網羅性・具体性が高まってくると、採るべき解決策の具体性や確らしさも自ずと改善してきます。
ここまででもかなり十分ですが、この場合 解決すべき課題や採るべき解決策も複数ある可能性が高いので、優先度の判断が難しい可能性があります。
良くないケース例③「課題の改善インパクトを試算できていない」
課題の整理(網羅性・具体性を高めるところまで)が出来ていることは非常に大事ですが、インパクトの試算〜優先度の判断が足りないケースに結構出会います。
当社ではミッションやゴール・目標をベースに仕事を渡すよう意識しているため、課題の改善インパクトの試算〜優先度の判断はかなり重要です。
※補足:課題の整理や解決策の模索を一緒に考えたり、MTGでディスカッションすることは当然行います。丸投げにならないようマネジメントサイドも意識しています。
ここでも少し例を出してみたいと思います。(例がMECEではないですがw)
下記どの課題から取り組むと良いでしょうか?
課題A:
解決できる可能性(低)
改善インパクト(高:売上を月100万伸ばせる)
解決策にかかる工数(高:1ヶ月かかる)
課題B:
解決できる可能性(高)
改善インパクト(小:売上を月10万伸ばせる)
解決策にかかる工数(小:数日かかる)
課題C:
解決できる可能性(低)
改善インパクト(中:売上を月30万伸ばせる)
解決策にかかる工数(中:1-2週間かかる)
課題D:
解決できる可能性(中)
改善インパクト(高:売上を月100万伸ばせる)
解決策にかかる工数(高:1ヶ月かかる)
実際には具体性の高い試算ができない可能性が高いのですが、基本的には改善インパクト&解決できる可能性が高いものから取り組むべきと考えます。その上でかかる工数が小さいと理想的です。
そのため今回の例を振り返ると、
課題A:
解決できる可能性が低いため、あまり取り組むべきではない
A以外に改善インパクトが(中〜高)の課題がなければ、取り組んで良いかもしれない
課題B:
解決できる可能性が高いため、取り組むべき
但し他に改善インパクトが(中〜高)の課題があれば、その後で良いかもしれない
空きリソースや並行で取り組めるのであれば、いつでも取り組んで良い
課題C:
解決できる可能性が低く改善インパクトも高くないため、あまり取り組むべきではない
課題D:
改善インパクトが高く解決できる可能性が低くはないため、取り組むべき
のようなイメージになるかと思います。
課題Dに腰を据えて取り組みながら、リソースを調整して課題Bを同時並行で進めると最も良さそうです。
"質"の高い課題とは?
ここまで長くなってしまいましたが、"質"の高い課題とは「改善インパクトと解決できる可能性が高い課題」と個人的には捉えています。
実際には明らかに改善インパクトが高そうとか、確実に解決できそうという課題に出くわすことは少ないかもしれません。それでも課題の洗い出し・深掘り・試算などを当たり前のようにしていく事で、"質"の高い課題が見つかり大きな成果を残せる可能性があると思います。
おわりに
少なくとも課題の"質"を高める思考プロセスをとっている人がメンバーに居れば、個人的には安心して仕事を任せれるなと感じます。
最後に、弊社では日本の仕事探しにおける負を一緒に解決してくれる仲間を募集しています。
下記の募集ポジションまたは,その他少しでも興味を持たれた方は松本のTwitterまでお気軽にご連絡ください。
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