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心と体の在り方から幸福の本質に迫るプロポ "アランの幸福論1/4"

幸福とは何か?フランス哲学者アランの深淵なる洞察

 「幸福とは何か」という問いは、古代から現代まで多くの哲学者が探求してきたテーマです。幸福の定義は文化や時代、個々の経験によって異なりますが、その普遍的な重要性は変わりません。今日からは、フランスの哲学者アラン(本名:エミール・オーギュスト・シャルティエ)の幸福論を深く掘り下げ、その意義と現代社会における適用可能性を探ります。先に予告をしておくと、今週から来週にかけては世界三大幸福論を取り扱っていきます!


時代を超えたアランの洞察

 アランは1868年にフランスで生まれ、20世紀初頭に活躍した哲学者です。彼の思想は、実存主義や現象学の影響を受けながらも独自の視点を持っています。アランは教育者としても多くの学生に影響を与えました。彼の著作『幸福論』は日常の経験に根ざした哲学的洞察が豊富に含まれており、読者に深い思索を促します。そんな幸福論は、世界中に数ある幸福論の中で何が特徴的なのでしょうか?

アランの哲学は、単なる理論的な考察にとどまらず、実践的な側面も持っています。幸福を追求するためには、まず自己を理解し、内面の調和を図ることが必要であると説きました。この考え方は現代の心理学や自己啓発の分野にも通じるものがあります。

内面の平和と調和とは?

 アランにとって、幸福は単なる感情や一時的な快楽ではなく、自己の内面と外界との調和から生じる持続的な状態です。幸福は外部の状況や出来事に依存するものではなく、自分自身の心の在り方や態度によって決まるとアランは考えました。彼は「幸福とは、自分の思考と感情をうまくコントロールすることで得られる内面的な平和である」と述べています。

この視点から、幸福は自己の内面から見出すものであり、外部の出来事に左右されるべきではないのです。例えば、皆さんは日々の生活の中で、どのように自己の内面を調和させていますか?そもそも、内面の調和、とはどのような感覚なのか自覚することも難しいかもしれません。アランの言葉は、自己の内面的な平和を見つけるためのヒントを提供しています。

混乱の中での幸福

 アランの思想は、19世紀末から20世紀初頭のフランスの社会的・政治的背景に強く影響を受けています。彼の生きた時代はフランス第三共和制の時期であり、社会は大きな変革と不安定さに直面していました。第一次世界大戦やその後の政治的混乱の中で、アランは人々がどのようにして個人的な幸福を見つけるかを探求しました。

アランの幸福論は、戦争や政治的混乱という困難な時代背景の中で形成されました。彼はその中で、幸福がどのようにして日常の中に見出されるべきかを考えました。現代社会においても、私たちは時折、外部の混乱やストレスに対処しながら幸福を見つける必要があります。この点でアランの考えは非常に参考になるでしょう。

小さな喜びと幸福

 アランは、幸福は日常生活の中にこそ見出されるべきだと主張しました。彼の考えでは、幸福は特別な出来事や大きな成功に依存するものではなく、日々の小さな喜びや充実感に根ざしています。この視点は現代社会においても非常に重要です。私たちはしばしば、成功や富を追求するあまり、日常の小さな幸せを見逃してしまうことがあります。

例えば、朝の散歩や家族との食事、読書の時間など、日常の中にある小さな喜びを見つけることが幸福への第一歩です。アランは「幸福は日常の中に存在するものであり、それを見つけるためには注意深く観察し、感謝の気持ちを持つことが必要である」と述べています。皆さんも、日常の中でどのように小さな幸福を見つけられるか是非意識をして、今日の残りの時間を過ごしてみてください。私は毎日カメラで1枚は写真を撮影することで、小さな幸せに気付ける機会を作るようにしたり、寝る前に木彫りの仏像に今日あったことへの感謝を報告する習慣の中で実践を続けています(特に宗教的な思想はないのですが、祈るという機会づくりは重要だと感じています)。

内なる声に耳を傾ける

アランは、自己実現と幸福との関係にも注目しました。彼の考えでは、人間は自己の可能性を最大限に発揮することで真の幸福を得ることができるとされています。自己実現は、自己の内なる声に耳を傾け、自分自身の目標や夢に向かって努力することを意味します。アランの幸福論における自己実現は、外部の評価や成功に依存するものではなく、自己の内面から湧き上がる満足感に基づいています。

「自己実現は、個人が自分自身の可能性を探求し、最大限に発揮する過程であり、この過程そのものが幸福をもたらす」とアランは述べています。この視点は、現代の自己啓発やキャリア開発にも通じる考え方です。皆さんは、自分自身の目標や夢に向かって努力する中で、どのような満足感を得ていますか?もしくは自己啓発やキャリアという縛られた軸ではない自己実現を探求することも可能ではないでしょうか?

幸福と倫理、他者との調和を求めて

 アランの幸福論には倫理的な側面も含まれています。彼は、他者との関係や社会全体の幸福が個人の幸福にとって重要であると考えました。この考え方は、幸福が自己中心的な追求だけでなく、他者との調和や共感によってもたらされるものであることを示しています。アランは、倫理的な行動が個人の幸福に寄与するだけでなく、社会全体の幸福にも貢献することを強調しました。

「倫理的な行動は、自己の幸福を追求する上で不可欠であり、それが他者との調和をもたらし、結果的に社会全体の幸福にも寄与する」とアランは述べています。どのようにして倫理的な行動を実践し、他者との調和を図るかは日々誰もが意識することではありつつ、それ自体が幸福に繋がると実感できる機会は少ないかもしれません。この点はこれからもっと深掘りをしていきましょう。

アランの幸福論が教えるもの

 アランの幸福論は、私たちに日常生活の中に真の幸福を見出す方法を教えてくれます。彼の思想は、自己の内面を見つめ、日々の小さな喜びを大切にすることの重要性を強調しています。現代社会においても、アランの幸福論は私たちが幸福を追求する上で重要な指針となるでしょう。

今日からまった4日間を通じて、アランの幸福論が持つ深い洞察と実践的な知恵が、読者の皆さんの生活に新たな視点を提供し、日常の中で真の幸福を見つける手助けとなることを願っています。明日からは、アランの武器とも「プロポ」などについても考えながら、より具体的に幸福論をさらに深く掘り下げていきます。


呟き:自己実現とコーチング

 自己実現の話でいうと先日コーチングを受けてくれている方に「この期間にコーチングを受けていなかったら、今私は生きていないかもしれない。本当にありがとうございます。」という言葉を頂きました。境遇にとても辛い気持ちになりながら、なんとか自分の"余白"をその方の時間に使えて良かったと思えることがあり、その時も「幸福論」のことを思い出しました。幸福とは遠い日常を生きていると感じてしまうことがあれば、いつでも人の"余白"に頼るようにできるといいかもしれません。

コーチングは自己実現を手助けするものですが、自分の"余白"を誰かのために使えていると感じる意味では、お互いが支え合う関係がコーチングの中にもあるのかもしれませんね。


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