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生まれてから失明するまでの記憶を、忘れないよう記録として書き留めました。
記憶に基づいた記述のため不正確な箇所や不鮮明な箇所があるかも知れませんが、一人の人間の生きた痕跡として、…
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#いじめ
欠落した記憶(僕が失明するまでの記憶 8)
異質なものに対して攻撃性が働くのは世の常である。いじめや嫌がらせが始まったのは2年生に挙がった頃からだった。靴を隠されたり、不愉快な落書きをされたり、後ろからボールを投げつけられたり、言い出せばきりがない。おなかが痛いと言って学校を休むこともあったし、原因不明の吐き気を催して病院へ行くこともあった。その度に「自家中毒」なる病名をもらい、甘いシロップの薬をもらって帰ってきたが、もちろん大した効き目
もっとみる我慢の限界(僕が失明するまでの記憶 9)
3年生になってクラス替えが行われたとたん、女の子たちにかかっていた魔法は跡形もなく消え、僕は不器用で口下手な、風采の上がらない男子に成り下がった。その一方、いじめは過激さを増した。粘り強く耐えはしたが、給食のシチューを頭からかけられたときの屈辱とやるせなさは今なお忘れることが出来ない。周囲の子供達はおろか、担任はいったい何をしていたのだろう。
転入してきたばかりの新米教師は、若い女の先生とあ