死産を乗り越えて①
先日「予防医療普及協会」の勉強会で、不妊について触れて、色んな意見が飛び交っていました。
その時、僕にとっては忘れられない出来事をまた鮮明に思い出しました。
8年前
お腹に授かっていた子供の検診でした。
4ヶ月を過ぎた頃の健診です。
今までは忙しくて検診に一緒に行けなかったのですが、初めて一緒に検診に行けることになり、
ウキウキしていたのを覚えています。
空は曇り空でしたが、僕の気持ちは天気と裏腹に晴れ渡っていました。
ドラマでよく見る
「赤ちゃん順調ですよ」という
先生の言葉を描きながら。
病院ついて、慣れない環境の中でキョロキョロしながら名前を呼ばれるのを待っていました。
そして、名前が呼ばれると診察室に入り、先生の前に座りました。
先生は志村けんを小柄にしたような見た目で、
ボソボソしゃべるのが特徴だったと思います。
お腹の中をエコーでみると、そこには赤ちゃんの姿をした3D画像が画面に映し出されました。
「お!動いている!」
感動していると、
一変診察室の空気を変えたあの一言が、いまでもはっきりと覚えています。
看護師さんが言いました。
「先生ちょっといいですか」
そう言うと先生はカーテンの向こうに行ったのです。
さっきまでニコニコしていた看護師さんたちも強張った顔になり、笑い声が一瞬にして消え去ったあの空気、
いまでも肌に残っています。
しばらくすると、先生が戻ってきました。
先生が僕の前に座り、見たことのない図鑑のようなものを取り出し、僕の前にその図鑑を開いたのです。
この空気は、僕は今日初めて検診に来たから、これが普通なんだ!と自分に言い聞かせながら、
先生の口から
「赤ちゃんは順調ですよ」と言う言葉に
「ありがとうございます!」という返事を準備している僕に、
先生は容赦なく、全くイメージをしていない言葉を僕に突きつけたのです。
②に続く
美容師の価値を高め、美容師として多くの人に幸せをお届けできるようにしていきます。