死産を乗り越えて⑥

出産当日、仕事が抜けられなかった僕は、仕事が終わるとすぐに高速を走らせた。


この一週間は家を出て、仕事をして、病院に行き、病院で寝て、朝早く出て、家に帰りシャワーを浴び、仕事に行く。


というスケジュールだった。


家から病院まで、高速使って1時間半はかかっていたので、


決して楽ではなかったが、辛さもなかった。


それよりも、この病院を紹介され、あの産婦人科の先生の診断に間違いがあったと言ってくれ!


という願いを持ちながら診察をイチからやっていたのを覚えている。


「診察の結果大丈夫でした!」


そう言ってくれ!!


もちろんそんな願いは届くわけもなく。先生から告げられた言葉は


「無頭蓋症でまちがいありません」


という言葉だった。


そして、同じ質問を人間ってするんですね。


「頭蓋骨はあとからできるんじゃないですか?」


もちろん医師は静かに首を横にふる。


「どうしますか?」


そう医師が尋ねると


「すぐに堕ろしてください」と隣で答えていた。

こうして、出産当日仕事を終えると携帯を見ると


<生まれた>とだけメールが入っていました。


すぐに、車を走らせ病院に向かったのです。


⑦に続く


美容師の価値を高め、美容師として多くの人に幸せをお届けできるようにしていきます。