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在宅鍼灸の魅力とは?~初体験から気づいた自分のルーツ~

先日、在宅鍼灸師のてっちゃんとTwitterのスペースで「在宅鍼灸の魅力は?」というテーマでおしゃべりしてました。

あらためて、在宅の魅力ってなんですか?

そう聞かれて、色々頭に浮かびましたが、やっぱり大学院で経験した「数々の初体験」がじぶんのルーツかもしれないと気づきました。

看取り、術後のケア、慢性疾患のマネジメント、多職種連携、

上げだしたらキリがないほどの初体験をしたんですね。

そのひとつが在宅医療だったわけです。

「在宅医療」への扉を開いてくれたのは、わたしが所属していた外科の先生でした。

先生にある日突然「患者が急変したので一緒に来なさい」と言われ、「えっえ...あ、はい。」みたいな感じで、急に車に乗せられ連れて行かれました。

それまで、何回か現場には連れて行ってもらっていましたが、患者が急変したのは初めての体験。

患者さんの自宅につくまではドキドキでしたが、予想に反して、患者さんはとても穏やかな雰囲気でした。

ベッドの周りには「おじいちゃーん、寝てるの?」とはしゃぐ孫たち、テレビ電話をつないで離れた家族にも顔をみせていました。

今でもその光景は忘れませんね。

じきに意識がなくなり、呼吸がとまりました。

先生がご臨終を伝えたとき、みなさんが笑顔で「ありがとうございました。」と感謝の気持ちでいっぱいの様子でした。

帰り道、先生が「ひとは生きたようにしか死なないんだよね」とポロっと話されたのがとても心に残っています。

家族みんなに看取られて、本当に幸せな最期だったと思うし、家族を大切にされていたんだろうな想像しました。

その経験があって、「やっぱり鍼灸師として在宅に関わりたい!」と決心したんですね。

在宅の魅力は?と聞かれたら、

「人生の締めくくりに関われる」ことかな。

ひとの生き様、死に様に関われる仕事はそれほど多くありません。

この事例のような、穏やかな最期を迎えられるひとばかりではありません。

死にゆくひとと関わる苦しみもきっと多くあると思います。

それでも人生の最期のページに鍼灸師がいる。

在宅ってそんな素敵な仕事じゃないかなー

漠然としてるけど。




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