怒ることはコストの高いコミュニケーション手段
最近はパワハラなどが問題で取り上げられることも増え、仕事で怒鳴ったり怒ったりする人は昔よりは減ってきているかもしれません。
しかし、それでも人間なのでイライラしてついカッとなってしまったり、強い口調で話してしまうことはあると思います。
しかし、「怒る」ことは多くの人を不快にさせたり、あまり有益なコミュニケーションではありません。
今回は「怒る」ことでかかるコストやデメリットについて、言語化していきます。
怒ることはみんなが疲れる
怒るという行為は、とてもコストがかかります。
これは怒られた人が精神的に落ち込んだりするだけでなく、周囲の人も含め色々なところに影響が出ます。
怒った人は疲れる
まず怒るという行為はとても疲れます。
イライラして頭に血が登った状態になりますし、ネガティブな感情になっているので精神的にもいい気分にはならないです。
怒り終わった後に疲労感を感じる経験は誰しもあると思います。
さらに大声で怒鳴ったりしたら、より体力を使います。
怒られた人も疲れる
言うまでもなく怒られた人も疲れます。
言っていることに正当性があるとわかっていたとしても、強い口調や言葉遣いで言われるのは、当たり前ですが気分が良くないです。
ネガティブな気持ちになりその後の仕事に取り組む状態としても良くないですし、体調に支障をきたすこともあります。
怒っているのを見た周りの人も疲れる
人が怒っている、怒られている光景と言うのは、周囲で見ている人からしても気分が良くないです。
自分が全く関係ないことだとしても、横で見ているだけで不快になります。
そして怒りや不快感は伝播します。
怒られた人、それを周りで見ていた人がネガティブな感情になって、他の人にまた怒りをぶつけてしまう負の連鎖が生まれる可能性もあります。
「怒られることで学ぶこともある」は錯覚
よく「若い頃に怒られた経験で成長できた部分もある」と言う人もいます(私も昔はそう思っていました)。
ですが、個人的にはこれは錯覚だったかなと思ってます。
怒られた経験が良かったのではなく、怒られた時に指導された内容が良かっただけだと気付きました。
もっというと、過去に怒られて「あれは学びになった」という出来事を振り返った時、それがもし怒らず丁寧に言われていたら学べなかったのか?というと基本的にそんなことはない気がします。
もちろん怒られたことで「あ、これはヤバいことなんだ」と認識できたこともありますが、ヤバさを伝えるなら怒る以外にも方法はいくらでもあります。
それを怒るというコストをかけて伝えることは、伝える側の怠慢かなと思います。
「怒られないとできない」状態は問題
それでも「いくら丁寧に教えてもできない」「怒らないとちゃんとやらない」ということはあると思います。
しかし、その「怒られないとできない」状態自体が問題です。
伝える側と伝えられる側のどちらか、あるいは双方に問題がある可能性があります。
伝えられる側のやる気がない
なにを言ってもそもそも伝えられる側のやる気がないと、どう丁寧に話しても伝わらないこともあります。
「怒られたら仕方ないからやる」となっている状態です。
もし本当に完全にやる気がなければ、異動などなにかしらの対策を考える必要があるかもしれません。
ただこれは本人だけの原因とは限らず、周囲の環境や人間関係がそうさせている可能性もあります。
そもそも怒り過ぎていることが原因で、やる気を失っているかもしれません。
ただ極限までモチベーションが下がっているだけで、双方改善していくことで解決することもあるので、「なぜ怒らないとできないのか」を考えてみるのがいいかもしれません。
伝える側の伝え方が悪い
前述の「ヤバさを伝えるなら怒る以外にも方法はいくらでもある」という話にも通じますが、ただ伝える側の伝え方が悪くて理解されてないこともあります。
伝え方が悪いだけなのに、「なぜ理解できないんだ」と怒ってしまう状態です。
なので起こる前に「この伝え方で本当にいいのだろうか?」と考えてみるべきです。
相手への理解を求めるのと同時に、「これなら絶対に理解できる」と思えるような伝え方になるよう、改善していく努力も必要です。
怒ることのコストを他のことに使うべき
結局のところ、「怒る」というのも一種のコミュニケーション手段です。
例えば法に触れるようなことをしている人に対して、絶対にそれ以上やらせないために強い口調で止めるのは有効な方法かもしれません。
しかし、前述の通り怒るという行為はみんなが疲れます。
そのため同じことを伝えるのにも、怒ることによって余分に高いコストがかかることになります。
怒ることに時間や体力気力を使うのであれば、そのコストをより適切な伝え方ができるようにするために使う方が、有意義です。
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