「国体」とはなんぞや。

以下は2014年1月4日にFacebookに投稿した内容です。
 
ちょっとネタを仕込む都合で国立国会図書館オンラインで戦前・戦中の閣議決定やら忘れられた戦時立法を掘り返していました。
戦前の日本のキーワードは『国体』という謎の言葉。何しろ世界一の悪法と呼ばれた「治安維持法」の冒頭に。

第一条 国体ヲ変革シ又ハ私有財産制度ヲ否認スルコトヲ目的トシテ結社ヲ組織シ又ハ情ヲ知リテ之ニ加入シタル者ハ十年以下ノ懲役又ハ禁錮ニ処ス
2 前項ノ未遂罪ハ之ヲ罰ス

と出てくる。治安維持法自体は大正14年法律第46号として公布された古い法律なので今時の法律の様に用語の定義など全くない。
その謎の言葉『国体』とは何か。その答えを探していたら身も蓋もない閣議決定に行き着いてしまった。

決戦与論指導方策要綱
昭和19年10月6日 閣議決定
<抜粋です>
(1)国体ニ対スル信仰ノ喚起昂揚
(イ)祖先ヨリ継受セル国体ヘノ信仰ヲ喚起昂揚シ君民一体ノ精華ヲ発揚ス
(ロ)皇土防衛ノ国体護持上絶対緊切ナル所以ヲ強調ス

つまり国体とは信仰だったのかぁ φ( °°)ノ °
昭和十六年に文部省が発行した「国体の本義」なんか何十頁もある冊子を作っていながら信仰だと本音が閣議決定にでてしまうなんて。
治安維持法の第一条にある「国体」=天皇制は信仰とは。
昭和十年の第67回帝国議会で菊地貴族院議員が美濃部達吉のそれまで政府見解の一つであった天皇機関説を攻撃したも撃破されたのにも懲りずに国体明徹運動を繰り広げて『国体』は神聖にして侵すべからずな精神運動になってしまい、天皇機関説は逆賊扱いにされた論より声の大きさという昭和十年代初頭。
なんか昨今に似てきているような・・・。

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