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もうしばらく観客に、時代に、生意気な存在でいて欲しい

Oct 14, 2005(楽天blogより)

もうしばらく観客に、時代に、生意気な存在でいて欲しい

“ONEOR 8 ” 18 回公演 「ゼブラ」 を観て来ました。
舞台芸術学院(以下舞芸)の卒業生で創った劇団です。
今は亡き金杉定男と卒業公演を打って立ち上げ、今も活躍している劇団が幾つかあります。
“ONEOR 8 ” もその一つです。

創立メンバーは同じクラスメートです。
舞芸の二年間で気を寄せ合い、明確とは言えないまでも同じ感触の劇空間を共有し、
劇団を創る夢を実現してきました。

観る側に過ぎませんが、旗揚げから立ち会っています。
劇場で持たされるズッシリとした量のチラシの中から、
大事に持って帰るのは舞芸の卒業生のチラシ、エコヒイキです。

そんな舞芸の教え子という見守るような気持ちもいだいていますが、
反対に時代と共に現場で打ち続けている彼らに、
アドバイスなんてとんでもない、良くやっているいるなぁ、と敬服するばかりです。

特に創立直後の何年間かの舞台には、劣等感にも似た複雑な感情と距離を強く持ちます。
ああ、彼らはこんなセンスだったのか、ホントはこんなことを
考えていたのか、
舞芸での二年間、野口体操は何の役に立っていたのか、と。

この感覚はしかし、彼らが年を重ねると共に少なくなります。
舌を巻くほどにますます巧みになってきているのに、
だからなのかもしれません、
芝居にだんだん距離がなくなって行くからです。

ますます巧みになって、ここまでのイキオイが少し安定して来て、
難しいけれども、
さて、これからです。

もうしばらく観客に、時代に、生意気な存在でいて欲しい。
これが今日の感想です。


「 わがままに徹すること、
それによってしか責任をもつことはできない。

自分がほんとうにどうしてもやりたいことは何か、
どうしてもこのようにしなければいられない
というやり方は何か。

それがほんとうにわかったら、
いや、わからなくともよい、
まるごと全体の自分が、

ほんとうにどうしてもと感ずるのなら、
まったく自分勝手にやってみることだ。

そうするより他に自分が生きている実感・生きがいは
生まれてこない。
自分の感じている一番大事なものが、
他人に通じようが通じまいが
それは二の次のことだ」

                 野口 三千三

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