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税理士&独立を目指した理由

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会計事務所となって1つ目のnoteらしく、自己紹介的な内容を書いてみたいと思います。

税理士を目指したのは偶然

私が税理士として独立を目指したのは、まったく計画的なものではなく、立派なキャリアプランと呼べるようなものではありません。
しかしながら、結果的には税理士を目指し独立する、という形は、非常に自分にあっていると感じています。

私が税理士業界に入ったのは30代半ばで、それまではずっと民間企業・事業会社で働いていました。それまでも経理やバックオフィス全般はやっていましたが、いわゆる「会計の専門家」を目指していたわけでもなく、税理士を目指そうと思ったことは有りませんでした。税理士事務所に転職するときも同じで、地元にUターンするときに今までの経験を活かして入れそうなところ、というような探し方でした。

そんな中で、実際に税理士事務所の担当者としてお客様(経営者や自営業の方)と直接接してみて、思っていたよりもやりがいのある、面白い仕事だと感じました。30代半ばで、一生勤められる会社や何を生業としていくのかという将来の方向性が定まっていなかったので、そういった意味では不安定な状況でした。そんな中で、これを「一生の仕事」としていきたい、という道が見えてきて、個人的にはかなり大きな前進でした。

そして、税理士を一生の仕事にするにあたって、いくつか課題も見えてきました。

資格が必要

まずは、当然ですが、税理士の資格が必要です。
税理士の資格を取るには、基本的には、「税理士試験」または「公認会計士試験」のどちらかに合格する必要があります。
今まで税理士になろうなんて発想がなかったので、当然、どんな科目を勉強しなければならないのか、どのくらい勉強時間がかかるのか、全く知りませんでした。
このあたりの話はまた別の機会に書いてみたいと思いますが、結果的に「公認会計士試験」の勉強を進めていくということに決め、勉強を開始したのは34歳の時です。
ちなみに、公認会計士試験の合格者(受験者ではない)の平均年齢は 24.4 歳。大学在学中や卒業まもなく勉強を始め、何年か受験に専念したのちに合格する、というのが、主なパターンです。

仕事をしながらという状況でしたが、幸い、36歳の時に合格することができました。ちなみに、35歳以上の合格者は全体の中で3.6%(2022年度)。つまり、30代半ばになって公認会計士の試験を目指すということ自体、きわめて特殊なことだったということですね。笑

独立というハードル

「独立」というのも、一つのハードルでした。
それまでは、何社か転職をしてきていましたが雇われるという経験しかありません。しかし、税理士の資格を取って独立するということは、自分が経営者になるということです。
それまで、独立する・経営者になる、というなんて、考えたこともありません。しかし、税理士事務所でたくさんの経営者・個人事業主の方とお話させていただく中で、そんなに難しいことではないのだなと感じるようになりました。
むしろ、自分には、今まで民間企業で経験を積み、経営(中小企業診断士)の知識やノウハウもあります。かつ、上場を目指すような事業をやるわけでもないわけで、「これで自分が食えなかったら世の中の自営業のほとんどが立ち行かないだろう」くらいまで、思えるようになりました。
むしろ、もっと早く「独立という選択肢」に気づくことができていれば、もっと戦略的に独立に向けて動いていたかもしれません。

雇われて働くのに向いてない

これは完全に私自身の性格によるものですが、仕事に対するこだわりが非常に強いタイプです。
働きながら、「こういうやり方のほうがお客様のためになる」「もっと効率的なやり方がある」と感じることが増えてきました。ただ、当然ながら被雇用者という立場では、事務所のルールに従うしかありません。
過去の勤務先でも、「こうしたらもっと会社がよくなるのに」と、いわゆる経営者の視点で見てしまうことがあり、それが転職の理由につながっていくこともありました。
そういう経験を何度も繰り返し、結局「自分は雇われて働くには向いてない」という、諦めというか悟りというか、そういった感覚に至りました。
独立、という選択肢を選ぶことになったのは、こういった背景もあります。

独立のメリット

何よりも、自分のことはすべて自分で決められる。これが私にとっては一番大きいです。「自由と責任はワンセット」と言いますが、責任よりも自由のメリットの方が大きいですね。
サービスの内容、HP、料金など、全て自分で決めることができます。
自分がもっともよいと思えるサービスを、自分が届けたい顧客に届けるにはどうするか、と考えるのは、しんどいですが楽しいものです。

独立すると、愚痴を言わなくなります。正確には、愚痴を言う対象が無いので、構造的に愚痴を言えなくなる、ということですが。
こういった、いい意味ですべて自己責任ですよ、という環境は、精神衛生上とても良い影響がありますし、人生という長い視点で見たときに豊かな人生になる可能性は高いのかなと感じています。
もちろん雇われているよりも経済的に安定を得るのは難しいかもしれませんが、独立というメリットの大きさを考えると、十分チャレンジするに値することだと思います。

私の目標の一つとして、このように「独立っていいよ」というスタンスを広めていきたいなと思っていますし、会計事務所の事業としてもそういった方をサポートしていくような動きができればと思っています。

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