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「重要だが緊急ではないことに先に取り組む」は、脳の仕組み的に正しいと納得した

こういった図を見たことがある人もいるのではないでしょうか。
数字は、物事に着手するべき順番を示しています。
要は、「緊急だが重要ではないこと」よりも、「重要だが緊急ではないこと」に、先に着手したほうがよいですよ、ということです。

これはよく言われていることなのですが、個人的には、腹落ち感がありませんでした。
緊急性が高いほうを先にするほうがいいじゃないか、ということではなく、重要性の高いことを優先するメリットがわからなかったためです。

そんな中で、今回、こちらの本を読んで、その理由が科学的に正しかったのだ、と納得しました。

著者の大黒さんは脳の研究者の方です。その内容によれば、
・脳は、「わからないこと」に直面し、それを「解決する」という、というプロセスで学習していく
・適度な「わからないこと」にあたることが、脳のモチベーションを向上させる。完全にわかっていることであれば「飽きて」しまうし、わからなすぎることであれば「やる気が起きない」
という仕組みになっているとのことです。
(私の解釈ですので、本文で用いられている用語とは異なる部分があります)

ここで、心理学で「ワラスの4段階」というものがあるらしいのですが、これによると、人間の創造性のモデルとして、
・準備期
・あたため期
・ひらめき期
・検証期
という4段階になるそうです。
「準備期」で、問題を把握し何を解決するべきかを特定する。
「あたため期」は、一度問題から離れる。しかし、脳は潜在的に思考しているので、何かふとしたきっかけで、「ひらめき期」に到達し、解決方法がひらめく時がある。
そして、そのひらめきを「検証期」に検証して、具体的な解決策を確立する、
というもののようです。

この「あたため期」~「ひらめき期」、は、イメージしやすいのではないでしょうか。
ぼんやり散歩や家事をしているとき。夜布団にはいってうとうとしているときに、アイデアが思い浮かぶ、という経験はあるかと思います。

ここで重要なのは、「ひらめく」ためには、必ず、「準備期」が必要だ、ということです。
つまり、着手しない限り、絶対に解決策が浮かばないということです。
逆に言えば、一度着手してしまえば、脳はうまくできていて、(一見考えていないようでも)潜在的に考えることができる、ということで、効率よく脳というリソースを活用できる、ということになります。

こういう理屈で、確かに「緊急ではないが重要なこと」に、まずは着手しておく、ということが重要だろうな、と納得することができました。

着手とは、
・一通り事実や選択肢をリサーチする。
・何に答えを出すべきか、明確にしておく。例えば、「〇〇という事業を始めるか判断する」「高い買い物をするとき、どれを買うか」などといった、結論、というもの。
・いったん、考えてみる。ただし、結論を出す必要はない。
といったことでしょうか。「緊急ではない」はずなので、期限は厳しく設定する必要はないと思います。

私は、理屈っぽいといわれることも多いのですが、この本のように理屈で説明されると、一気に納得感が深まります。
本書のコンセプトは、タイトルの通り、いかにモチベーションを生み出すか、を、脳科学的なアプローチで検討するもので、非常に興味深かったです。

是非興味がある方は、読んでみてください。

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