EP.1-13

東村さんからはそれからもちょくちょくメールがきた。
面倒臭かったし
焼肉奢ってくれないから
私はそっけなく返信をしていた。

自分のホームページの“裏りある”には
東村さんが鬱陶しいことを書き連ねた。
誰に話すこともない。
私と東村さんが連絡を取り合っていることは
誰にも言っていない。
私と東村さんが仲が良かったことは
誰も知らない。

そんなある日、私はいつものカフェで大学の課題に取り組んでいた。
すると、携帯のライトがピンク色に光る。
これは、高校関連の人のカラーだ。

「今日は出張で外に出てるんだ。直帰するから少しだけ会えない?」
「あ〜いいですよ。私、地元にいるんで」
「知ってるよ。前に聞いたから。駅着いたらまた連絡する」
「いえ、駅前のカフェの喫煙席にいるんで」
「わかった」

ネットブックにパチパチと文字を打っていると後ろから声がかかった。

「久しぶり」

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