原体験を活力にするか、コンプレックスになるかを分けるもの

先日、自身で会社経営をしている友人と、こんな話をしました。

特に起業家や経営者において、強烈に活力がある人がいる。
いざ話を聞いてみると過去に強烈な経験をもつ人が多かった。ただ、自分にはその経験がない、、

端から見ると、「●億円調達!」「ストックオプションが●億円分」という話を耳にする機会が多く、芝が青く見えがちですよね。

ただ、当人の話を聞いてみると、常にキャッシュがそこをつく恐怖。周りが成功していく(ように見える)姿に焦燥感にかられ続ける...

ありとあらゆるプレッシャーがかかり、夜も眠れず、常に頭が休まらないような感覚と話します。来る日も来る日も、まったく心が収まらない中で、何が自分を前進させるのか。

友人曰く、原体験から生まれる飢餓感が大きいんじゃないか。とのことでした。確かにありそう。

原体験が押し上げた人物

わかりやすい例で言えば、ソフトバンクの孫さんがそうかなと。
2011年のプレゼンで出自を語っていました。

在日韓国人の二男として生まれ、差別も経験し、豚や羊と一緒に暮らす、非常に貧しい環境で育ち、その経験からアメリカに留学し、起業に繋がり、稀代の経営者となったと。

努力すれば成功するというわかりやすい世界ではないため、成功例だけ見ても不十分だと思いますが、真っ先に浮かぶ人物だと思います。

原体験があればいいのか

確かに、原体験が人を押し上げる。なんとなく頭では理解できます。

ただ、強烈な体験があった場合、
それを人生の推進力にしていく人もいれば、コンプレックスとなり、延々と囚われ続けてしまう人もいて(個人的に後者の方が多い印象)、一概に原体験があれば良いと思えないと感じました。

そして、その体験を分かつものはなんだろうと疑問に思います。

原体験の意味を分けるもの

心理学では『レジリエンス』という言葉があるそうです。

親の離婚・死亡、虐待などの逆境やトラウマ体験といった大きなストレスにうまく適応し、回復していく力
『多くの研究をメタ分析した複数の研究によれば、おとなも子どもも、逆境語の苦悩はその出来事の深刻さではなく、その後にどれだけ本人が孤独を感じるかによるという』

当人の体験は、当人にしかわからない辛さがある。
ただ、そこからレジリエンスによって回復した例も多く、研究も進んでいるようです。

人は生まれる場所や育つ環境を選べないからこそ、こういった実証研究にいよって、逆境にいる人たちが変わっていくキッカケが証明されていけばなぁと思います。

また、幼少期に逆境を体験した人は、子供のうちは目がかけられながらも、大人になると一歩引いた目で見られる。当人に責任はないにも関わらず。

そういった現実もあるので、レジリエンスがより解明されていって欲しいなと思うところでした。

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